タンニンは植物に含まれる渋み成分でポリフェノールの一種です。お茶や赤ワインに含まれて美肌やアンチエイジングを気にする人に注目されています。タンニンの基礎知識や効能・効果をじっくり解説いたします。
タンニンは、植物の葉や茎、渋柿や栗など果実に含まれるポリフェノールの一種で、渋み成分です。この渋みによって植物が動物や虫に食べられるのを防いでいます。タンニンは「tanning(皮をなめす)」から名づけられており、古くから皮製品をなめして革を作るのに使われています。タンニンを含む食品の渋味を感じるのは、口の粘膜のたんぱく質とタンニンが結合して変性するからです。
タンニンには肌の収斂(しゅうれん)作用があります。開いた毛穴・皮脂腺を引き締め、メラニンの増殖を抑える効果もあり、化粧品に利用されています。下痢の改善、抗酸化作用を持ち、悪玉コレステロールが血管壁に付着しないように働くため、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞など生活習慣病を予防します。タンニンを含むお茶は健康によいとされますが、飲み過ぎると便秘になるので注意しましょう。
タンニンはお茶やワイン、渋柿、栗皮、ガラナに含まれる成分です。赤ワインに豊富に含まれており、瓶の底にたまっている澱(おり)はタンニンです。現在は肌の収斂(しゅうれん)作用を利用した化粧品がありますが、江戸時代には「お歯黒」にも使われていたそうです。ほかにも接着剤、動物の飼料、洗浄剤、メッキ剤や、シックハウス症候群の緩和のために家の壁などにタンニンを含む柿渋を塗ることもあります。