抗がん剤の研究過程で偶然発見された物質、それが今回ここで紹介する「オリゴ乳酸」という聞きなれない成分です。このオリゴ乳酸は「腸の善玉菌が住みやすくなる環境を整える」役割を果たし、細胞を元気にしてくれる有効成分として医学博士も注目。ここではそのオリゴ乳酸を扱う株式会社グレインの代表取締役・松澤一博氏にインタビュー、オリゴ乳酸の効能や開発の経緯についてお話をうかがいます。
オリゴ乳酸が発見されたのはいまから約30年前のこと。抗がん剤の研究のためがん細胞を培養しているときに、がん細胞が死滅した培養液がありました。その培養液中に「がん細胞を自死させる物質」が存在することに研究者が気づいたのがきっかけでした。
特定の症状を改善するという科学的な根拠があることが判明した場合でも、その多くは動物実験の結果しかないことが多いのですが、オリゴ乳酸は違います。第三者機関となる研究所を介して、被験者のデータをしっかり集め、ヒトに対する効能を検証してきました。そしてそのデータをもとに、研究者たちが学会や専門紙などに論文を発表しています。
医学博士であり薬学博士でもある田口茂先生は乳酸研究の第一人者ですが、オリゴ乳酸の機能性に関しても研究成果を発表されています。
わたしどもはこうした専門家のみなさまの協力を得ながら、産官共同開発でこれまでにない機能性成分であるオリゴ乳酸の製造機器の開発を経て、唯一無二の成分として世に送り出すことに成功したのです。
機能性素材として産声を上げてから約30年が経ちますが、いまわたしたちが消費者のみなさんにお伝えしたいのは、「オリゴ乳酸を活用して未病対策をしてほしい」ということです。健康なまま歳を重ねることが難しくなっている現代のわたしたちが目を向けるべきは、いかにして免疫機能を高めていくかということなのではないかと思うのです。
欧米に比べると予防医学のジャンルはまだまだ未成熟。未病予防という言葉の意味もご存知ないかたが多いのではないかと思います。日本は国民皆保険で医療制度も整っていますから、たとえ病気になっても治療を受ければ大丈夫という安心感があります。でもこれからは、未病対策という意識を強めて病気にならないように自分の身は自分で守るという考え方が重要になるのではないかと思います。
オリゴ乳酸の摂取を習慣化して腸内環境を改善することで免疫機能を調整できれば、自己治癒能力も向上します。オリゴ乳酸を未病対策に役立てていただくことで、多くの方々の健康維持に貢献できるのではないかと考えているのです。
ここ数年乳酸菌がブームというか、腸内環境を改善するカギを握る存在としてクローズアップされることが増えました。乳酸研究の第一人者である田口茂先生が以前、『健康ジャーナル』という専門紙に
「日本人の不健康事情を正すためには、腸管免疫を改善するオリゴ乳酸が最適である」
とお書きになっていました。腸内環境を改善することができれば、アレルギー疾患をはじめとする免疫疾患の症状を抑制することができますし、酸化ストレスを軽減することで生活習慣病などのリスクも下げることがわかっています。みなさんを苦しめているさまざまなお悩みを、オリゴ乳酸が解決できる可能性があると思っています。
「腸活」「菌活」というテーマで雑誌の特集が組まれるほど、若い人の間でも腸内環境について注目されることが多くなりました。わたしどもは20年以上前から腸と健康の関係について研究をしてまいりましたが、やっと時代が追いついてきたように思います。オリゴ乳酸を受け入れていただける時代になってくれたのではないかと感じています。
サプリには疾病そのものを治すチカラはないけれど、医薬品の効果を高めたり、病気を予防したりする可能性は大いにあると考えています。お医者さまのなかには薬への依存を弱めたり、改善効果をうながすためにサプリや漢方を採用される先生もいらっしゃいますし、予防医学の分野における体質改善や機能向上には、もっと健康食品が活用されるべきだ、と発言なさっている先生もいらっしゃいます。
もちろん薬物療法が必須となる病気の場合はそれが最優先されますが、未病予防や予防医療といった分野で健康な体を作り出す基本になるのはやはり、食品です。医食同源という言葉があるように、正しい食生活は健康維持にもつながります。
本来人間のカラダに備わっている免疫機能によって病気を予防したり、症状の悪化を食い止めたりするために必要なものは食品だけではありませんが、生活習慣のなかでも病気と食はとくに密接な関係にあります。栄養過多や栄養の偏りが生活習慣病の原因にもなり得ますので、食事内容や食習慣の見直しは必須。
バランスのよい食事にオリゴ乳酸という健康素材をプラスして、未病対策に活かしていただければと思います。