モリブデンは必須ミネラルの1つで主に肝臓や腎臓に存在します。鉄分のはたらきを活性化して血液を作るので「血のミネラル」と呼ばれます。モリブデンの基礎知識や効能・効果をじっくり解説いたします。
モリブデンは必須ミネラルの1つです。体内では特に肝臓と膵臓に多く存在する物質で、酵素のはたらきを助ける補酵素です。鉄分のはたらきを促し血液を作るので「血のミネラル」とも呼ばれます。銀白色の金属で1778年にスゥエーデンの化学者シェーレが輝水鉛鉱(きすいえんこう)と硝酸を反応させることでモリブデンを作り出しました。輝水鉛鉱はモリブデナイトと呼ばれることから名付けられました。
モリブデンは補酵素としてキサンチンオキシダーゼ、アルデヒドオキシダーゼ、亜硫酸オキシダーゼなどの酵素のはたらきを助け、糖質や脂質の代謝に関わる重要な役割を持ちます。体内に必要ない物質を排出する働きを持つ核酸を作ります。鉄分の代謝を活性化して血液を作り、銅を排泄する働きを持ちます。食事で十分に摂ることができるので欠乏症はほとんど見られません。
モリブデンは牛や豚のレバーや乳製品、あさり、納豆・枝豆・落花生など豆類、うどんなど麺類、米など穀類に含まれます。モリブデンは合金鋼に添加されることで金属を丈夫にします。身近なところでは、台所で使うステンレス包丁にモリブデンが使われています。二硫化モリブデン(モリブデン1個と2個の硫黄の化合物)は工業用の潤滑油やエンジンオイルやハイブリッドカー、飛行機、ロケットのエンジンや薄型液晶パネルにも使われています。