マンガンは成長や生殖に関わる重要なミネラルの一つです。補酵素のはたらきを持ち、糖質や脂質の代謝を高めます。意外に間違っていることも多いマンガンの情報。マンガンの基礎知識や効能・効果をじっくり解説いたします。
マンガンは原子番号25の元素で、人間の骨の形成にかかわる重要なミネラルです。金属としては銀白色をしていて鉄に次いで地球上に広く分布しています。古代ローマ時代には、ガラスの青緑色を消すために軟マンガンを利用していたので、ギリシャ語の「manganizo(浄化)」や「manganon(魔法)」が語源ともいわれます。学校では二酸化マンガンを触媒にして過酸化水素水を水と酸素に分解する実験が行われます。
マンガンは成長や生殖にかかわる重要な成分で、酵素のはたらきをサポートする補酵素の機能を持ちます。糖質や脂質の代謝を高め、たんぱく質やDNAを作ります。マンガンが不足することは稀ですが、不足すると糖質・脂質の代謝低下、疲労、糖尿病、成長遅滞、生殖機能障害、低コレステロール血症などの症状が起こります。マンガンを仕事で取り扱う人には中毒症状が見られることもあります。
マンガンは穀類、お茶の葉、種、豆類など植物性の食品に幅広く含まれています。アマランサスは穀類の一種で雑穀として人気ですが、マンガンを最も多く含む食品です。マンガンの化合物である二酸化マンガンは電池のプラス極に使われています。マンガンは金属の強度や硬度、耐食性を高めます。そのため鉄鉱や非鉄金属に添加して用います。医薬品、顔料、乾燥材、酸化剤、飼料や肥料にもなります。