甘味料として醤油などの身近な調味料や食品にも多く利用されている甘草。意外に間違っていることも多い甘草の情報。甘草の基礎知識や効果・効能をじっくり解説いたします。
甘草(カンゾウ)はマメ科の多年生草本です。英語名はlicorice(リコリス)といいます。甘い草と書くことから葉の部分を使用すると思われがちですが、生薬や食品として使われているのは実は根の部分です。甘草が含んでいるグリチルリチンという成分は、砂糖の50倍の甘味があるといわれ、醤油や味噌などの調味料にも甘味料としてよく利用されています。
甘草の主成分であるグリチルリチンは、解毒作用があることで知られています。グリチルリチンの働きにより、ガンの予防効果や花粉症などの辛い症状の緩和にも有効であるといわれています。さらに甘草にはフラボノイド系の物質が豊富に含まれていて、老化や生活習慣病を予防する働きがあるといわれています。ほかにもストレス性の胃炎を和らげる効果やホルモンバランスを整える効果もあるとされています。
甘草は根や根茎を乾燥させたものを生薬として利用します。単独で甘草湯として用いられるほか、多くの漢方処方のベースとして使われている重要な生薬です。また、甘味料としても使われており、醤油、味噌、タバコ、ジュースやお菓子などの多くの食品に添加されています。ハーブティとしても楽しむことができますが、独特の香りや苦味が感じられることもあるので、ほかのハーブとブレンドしていただくのがおすすめです。
通常の食品に含まれる量を摂取することはおそらく安全だとされています。ただ、甘草の主成分であるグリチルリチンには低カリウム血症や血圧上昇などの副作用が報告されているので、過剰摂取には注意が必要です。また、甘草は子宮を刺激する恐れがあるため、妊娠中の摂取は危険です。授乳中の女性についても、安全に対する十分なデータがないため使用は避けたほうが安心です。