ダイエットと基礎代謝
最近ではダイエットという言葉を聞かない日はないというくらい、誰もがダイエットを意識しています。単に減量したいというだけでなく、理想のボディラインになりたい、健康を維持したいと、ダイエットという言葉に込められた意味もさまざまです。
ダイエットを語る上でよく聞かれるのが「代謝が落ちてきた」というフレーズです。「若いころはいくら食べてもスリムな体型を維持できていたのに、年齢を重ねるごとに体重がどんどん増えている」「食べる量は増えていないのに太っていく」。これらはすべて「代謝が落ちたから」と考えられています。確かに太りやすい人とそうでない人の差や、若い頃と今の自分の差は「基礎代謝」にあるといえるでしょう。
では基礎代謝とは何を指しているのでしょうか?
基礎代謝とは、私たち人間が生命を維持するために必要なエネルギー代謝です。そのため、基礎代謝が高い人は、体内からエネルギーを作り出す力が強く、低い人はエネルギーを作る力が弱い、ということになります。基礎代謝が低いと、昔は多少無理をしても平気だったのが、今では寝ても寝ても疲れが取れない、という状況になって現れたりするのです。
では基礎代謝を上げるにはどうしたらよいでしょうか? よく知られているのが筋肉の量を増やすこと。しかし筋肉量はそう簡単には増えません。もう一つ注目すべきポイントがクエン酸です。なぜなら体からエネルギーを作り出す時に活躍する栄養素がクエン酸だからです。
本来、ダイエットとは「健康的な体になる」という意味ですから、必ずしも「痩せる」ことがダイエットではありません。人によっては少し体重を増やすこともダイエットとなるでしょう。いずれにせよ、エネルギーをしっかり作り出し、疲労をためず、食べた物をしっかり燃焼させながらエネルギッシュに活動できる状態であれば太りすぎや痩せすぎとは違う「健康」な状態で過ごすことができるはずです。
TCAサイクル(クエン酸回路)とダイエット
私たちの身体は、食べたものをエネルギーに変えるという機能が備わっています。そこで重要なのがTCAサイクルです。TCAサイクルは、体内に取り込まれたデンプンをブドウ糖に変えた後、クエン酸から始まり、数種類の酸に変化を遂げる過程でエネルギーを産生して、またクエン酸に戻る、という回路のことです。そのため、クエン酸が不足するとこの回路の働きは悪くなり、効率の良いエネルギー産生が出来なくなってしまいます。逆に、きちんとクエン酸を摂っていると、TCAサイクルが活性化して十分なエネルギー産生ができるというわけです。
そのため、肥満防止のためのダイエット、疲れを溜めにくい体作りをしたいという人は、クエン酸を十分に摂り、TCAサイクルを活性化させることで体内にある栄養素から効率よくエネルギー産生を行うことができるので、クエン酸の摂取は「ダイエット」を目的とする方にもおすすめといえるのです。またクエン酸と疲労回復効果にも期待が集まりますが、疲労感のない体であればエネルギッシュに活動できるので、それだけエネルギーを消費して太りにくくなるとも言えるでしょう。
ただし、クエン酸だけを摂っていれば良い、というわけではありません。クエン酸の摂取目安量を守り、規則正しい生活やバランスのとれた食生活を基本として、初めてクエン酸の効果効能が期待できるのです。
2005年にダイエット・部分痩せ専門クリニックとして渋谷DSクリニックを開院。 ダイエット専門医師としてダイエットにおけるあらゆる独自のノウハウを培ってきたパイオニア的存在。 ヒトが持つ本来の美しさを活かし、正しいダイエット方法を全ての人に伝える。的確なアドバイスが評判。