カプサイシンの「辛味」は「痛み」だった!?
カプサイシンは適量であれば美容と健康に作用する成分です(カプサイシンの働き)。しかし、過剰摂取をすると時として「毒」となることがあります(カプサイシンの副作用)。そもそも、カプサイシンの「辛味」とは、甘味や苦味のような「味覚」ではないのです。カプサイシンの辛味成分は「痛み(痛覚)」に該当します。カプサイシンは辛味成分であると同時に、「刺激成分」でもあるため、カプサイシンが触れた部分すべてに刺激を与えてしまいます。特に唐辛子を触った手で目を触ると、目の粘膜を刺激し、しばらく痛みで目が開けられなくなることもありますので、注意が必要ですよね。それは目だけでなく、胃や喉などの体内でも同じことが起こっており、カプサイシンの過剰摂取によって炎症を起こす可能性があります。
このように、カプサイシンはとても刺激の強い成分であることから、発がん性や毒性を疑われます。カプサイシンの毒性についてはまだまだ研究段階で、賛否両論あります。韓国のある研究ではカプサイシン自体ががんの発生物質なのではなく、あくまでがんを促進する機能を備えた物質である、と発表されていますが、今後の研究動向が注目されるところです。
カプサイシンとアドレナリン
カプサイシンは唐辛子に含まれる辛味成分であり、痛み・刺激成分でもあります。私たち人間は、刺激や痛みを感じるとそれを「ストレス」として脳に受け取られます。そしてストレスの回避手段として副腎皮質から「アドレナリン」が分泌されます。アドレナリンはストレスと闘う作用があるのですが、あまり多く分泌されてしまうと脳の一部が損傷を受け、パニック障害や鬱(うつ)、睡眠障害や精神疾患の原因となります。これらの症状は「火病」と呼ばれています。
火病はカプサイシンを含む唐辛子を日常的に、かつ大量に摂取する人がかかりやすい精神疾患の一つとして数えられています。日本では唐辛子の消費量は少ないため、唐辛子(カプサイシン)が原因となる火病はほとんどありませんので心配する必要はありません。しかしカプサイシンとダイエットやカプサイシンと育毛を意識しすぎると過剰摂取になることも考えられます。やはり、どんな食材でも「適量」が大切です。
現代人のストレスと疾患の関係に注目すると共に、東洋医学と西洋医学を融合させた独自の理論に基づき、芸能人やマスコミ関係者等のストレスが多く美への意識が高い方たちへの漢方カウンセリングを行ってきた。 現在、渋谷DSクリニックにおいて、DS美容漢方を提唱している。