カプサイシンと育毛の関係とは
美容と健康に関して多くの効果が知られているカプサイシンですが(カプサイシンの働き)、最近では抜け毛予防や発毛の促進など、育毛に対して効果が現れるとして注目されています。基本的に、脱毛は頭のサイドからではなくて、トップから始まることが多いとされています。そこで、脱毛症の人を対象としてサイドの頭皮とトップの頭皮の温度を測るという実験が行われました。その結果、サイドの頭皮に比べて、トップの頭皮の温度の方が低いということが分かりました。つまり、トップの頭皮は温度が低くて血行が悪くなりやすいことが原因で脱毛につながるということです。そこで血行を改善するにあたって活躍するのが「カプサイシン」だと考えられているのです。
カプサイシンは唐辛子に多く含まれる辛味成分の一つで、体内に入ると脳の中枢神経に作用して、副腎皮質からアドレナリンなどのホルモン分泌を促し、脂肪分解酵素の一種であるリパーゼの分泌を促進します。これによってエネルギー代謝が活発になり、体が熱くなったり、汗をかいたりといった効果が現れるのです(カプサイシンとダイエット)。もちろん、血液の循環が良くなることによって頭皮の温度もあがり、育毛に必要な栄養素が頭皮へ運ばれることにより、脱毛の改善へとつながります。また、中枢神経に作用することによって、消化酵素だけでなく、ホルモンの分泌も活性化されるため、育毛・発毛に効果が期待されているのです。
一緒に摂ると効果がある食品は?
カプサイシンと一緒に摂ることで、育毛の効果をさらに高める栄養素としてはイソフラボンがあります。イソフラボンは大豆胚芽に含まれるポリフェノールの仲間で、体内では女性ホルモンと同じような働きをします。イソフラボンは大豆の加工品である豆乳や納豆、豆腐などに含まれていますので、普段の食事のメニューにも取り入れやすい食品であります。髪の毛の元となる毛母細胞は「IGF-1」というペプチドによって分裂・増殖が活性化されることが分かっています。カプサイシンとイソフラボンにはこの「IGF-1」を増やす働きがあることが分かっています。脱毛予防や育毛のためにカプサイシンを取り入れる際は、イソフラボンも一緒に摂ることをおすすめします(カプサイシンを含む食品も参照のこと)。
もちろんカプサイシンを摂取すれば即育毛につながる、ということはありませんので、カプサイシンの摂取目安量には注意して過剰摂取をしないようにしましょう。
現代人のストレスと疾患の関係に注目すると共に、東洋医学と西洋医学を融合させた独自の理論に基づき、芸能人やマスコミ関係者等のストレスが多く美への意識が高い方たちへの漢方カウンセリングを行ってきた。 現在、渋谷DSクリニックにおいて、DS美容漢方を提唱している。