赤ワインだけじゃない、
ブルーベリーにも含まれるレスベラトロール
以前から脂肪の過剰摂取が動脈硬化をもたらし、心血管病変を引き起こすといわれています。しかし赤ワインを多く飲むフランス人に心血管病変が少ないことは「フレンチ・パラドックス」とよばれています。その理由として赤ワインにはレスベラトロールが多く含まれていることがわかり、その抗酸化作用がフランス人の心血管病変が少ないと考えられています。このレスベラトロールもアントシアニンと同じポリフェノールの一種で、じつはブルーベリーの果皮にも多く含まれている成分です。
レスベラトロールがなぜ注目されたかということですが、血管拡張作用、抗癌作用の他にNHKの番組で老化を遅らせ、寿命を延ばす遺伝子「SIRT1(サーチュイン)遺伝子」という長寿遺伝子の働きを、レスベラトロールが活性化するという報告が放送されたからです。酸化などのストレスがなければ、人間の本来の寿命は120歳ともいわれているのですが、この長寿遺伝子の働きが活発だと、老化のスピードがはるかに遅くなると考えられています。レスベラトロールが長寿遺伝子を活性化するのであれば、ブルーベリーは抗加齢(アンチエイジング)にも効果的であるということになります。
ただブルーベリーのサプリメントの場合、抽出した成分が配合されていますので、パッケージにレスベラトロール含有の表示がなければ、あまりその効果を期待しないほうがいいかもしれません。
豊富な抗酸化物質を含むブルーベリーは
まさにスーパーフード
「スーパーフード」とは、抗酸化物質やフィトケミカル(植物栄養素)などの有益な成分が豊富に含まれ、生活習慣病の予防や免疫力の向上、アンチエイジングといった長寿をサポートする効果が期待できる食品のことです。ブルーベリーはアントシアニンとレスベラトロールという2大抗老化ポリフェノールを含有するスーパーフードです。これまで栄養素やカラダの仕組みに興味を抱かずに過ごしてきても年齢を重ね具合が悪くなったりすれば、こうした抗酸化物質への期待が高まると思います。
アメリカの研究機関では、食品の抗酸化機能を測定する「ORAC」(活性酸素の吸収能力を測定)という試験分析で、生のブルーベリー100gとさまざまな果実や野菜のORACを比較して、ブルーベリーがその抗酸化機能においてもっとも高い数値であったと発表しています。試験の環境やブルーベリーの種類によって違いがあるのでしょうが、加齢に伴う“酸化の脅威”からわたしたち人間を守ってくれる、そんなポテンシャルを秘めた機能性食品であるブルーベリーの研究報告に、医師として今後も注目していきたいと思います。
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