生薬としても使われてきたブルーベリー。意外に間違っていることも多い
ブルーベリーの基礎知識や効果・効能、視力や眼精疲労との関係を、
クマノミドー眼科の熊埜御堂隆先生がじっくり解説いたします。
ブルーベリーは元来アメリカに自生する植物種で、生薬としても昔から活用されてきた歴史があります。特に北米はブルーベリーの主要な生産地です。日本では1960年代から本格的に栽培されるようになり、ジャムや飲料、健康食品として利用されています。
ブルーベリーの有効成分であるアントシアニンはブルーベリーの品種によって異なります。アントシアニンとしては1日に40mgの摂取が望ましいとされ、そうなると1日に12g〜25gのブルーベリーが必要となります。これは現実的ではないので、エキスやサプリメントに人気が集まるのです。
ブルーベリーそのものには副作用の報告はありませんが、サプリメントや健康食品に加工されたものは妊婦や授乳中の方の報告がないため避けた方がよいでしょう。大量摂取しても急激に効果が現れるわけでもありません。適量を摂取するようにしましょう。
ブルーベリーはエキスやジュースだけでなく、ドライフルーツやジャム、パン、ケーキなどに加工されるなど幅広く使用されていますが、これは有効成分のアントシアニンが加熱や冷凍によって変化しないため利用しやすいということもあるのです。
ブルーベリーは欧米各国と韓国ではすでに薬品として活用されていて、血管障害、胃潰瘍、眼精疲労を伴う肉体疲労、強い近視や夜盲症状、糖尿病、網膜症などの疾病に対して使用されています。日本でも研究が盛んになっています。
ブルーベリーが目に良い、ということを一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。ブルーベリーのなかに含まれるアントシアニンというポリフェノール成分は強力な抗酸化作用があり、これが目の老化を抑制しているのではないかと考えられています。
ブルーベリーを医薬品として認めている欧米だけでなく、日本の医療機関でもブルーベリーの効果の研究が行われていますが、眼精疲労を訴える眼科外来患者にブルーベリーエキスを摂取させたところ、目の疲労感や肩こりなどに有用な結果が得られたという報告があります。
ブルーベリーが目の健康に効果があることは間違いなさそうですが、個人差があったり、またどのようなメカニズムで視力が回復したり小さい文字が見えるようになったりするのかはわかっていません。過度な期待はせずに自分に合うかどうかを見極めて摂取しましょう。
ブルーベリーの原種ともいわれる品種にビルベリーがあります。北欧に自生し、ブルーベリーに比べて2〜3倍のアントシアニンを含んでいます。アントシアニンを含む食品は赤い野菜や果物など多数ありますが、もっとも含有量の多い食品がビルベリーともいわれます。
ブルーベリーに含まれるアントシアニンはファイトケミカルと呼ばれます。食物繊維に次ぐ、第7の栄養素といわれ、活性酸素を除去するなどの抗酸化の役割を果たす機能性成分です。?アントシアニンは有名なファイトケミカルの一つです。
ブルーベリーのサプリメントの多くには同時にルテインも含まれていることが少なくありません。ルテインはやはり抗酸化作用の強い栄養素で、ほうれん草やブロッコリーに含まれます。ルテインの不足は加齢黄斑変性などを引き起こすため、ブルーベリーと一緒に摂取することで眼病予防の相乗効果が期待されるのです。
ブルーベリーにはレスベラロロールも含まれます。レスベラトロールとはアントシアニンと同様のポリフェノールでブルーベリーの皮に豊富に含まれています。ブルーベリーはまさに酸化予防にうってつけの果実といえそうです。