アニスは独特の香りを持ちリキュールやお菓子の香りづけに用いられます。香り成分アネトールは女性ホルモンに似た性質を持ちます。アニスの基礎知識や効能・効果をじっくり解説いたします。
アニスはエジプト原産のセリ科ミツバグサ属の植物です。卵型の果実は5mmほどの大きさで、種のように見えるのでアニシードと呼ばれています。ア二シードには独特の香りがありますが、この成分はアネトールです。八角にもアネトールが含まれてアニスに似た香りがあり、しかも安価なので代用品になっています。古代エジプトでは薬草やスパイスとして、またミイラを作るときに防臭・防腐剤として使われました。
アニシードにはサポニンが含まれます。サポニンは植物の根・葉・茎などに含まれる苦みやえぐみの成分です。肺の異物を排除する分泌液を活性化させて痰を出やすくしたり、咳を抑えたりする効果があります。アニシードの甘味や香り成分であるアネトールは、女性ホルモンのエストロゲンに似た性質を持ち、更年期障害の予防・改善、生理痛の軽減、生理不順の解消などに効果があります。
アニシードは独特の甘い味と香りがあるので、ケーキ、クッキー、キャンディーなどのお菓子の香りづけになります。パン、ソーセージ、魚肉料理、ソースなどにも香りづけとして多く用いられます。アブサン、ウーゾなどのリキュールやトルコのラクなどのお酒にはアニシードやアニスオイルが利用されています。葉・茎・花は柔らかいのでサラダや料理の付け合わせ、ハーブティーなどに、根はスープやカレーなどの煮込み料理に使われます。