特に摂取したい必須アミノ酸は動物性食品に多く含まれる
アミノ酸はたんぱく質なので、主に肉類、魚類、卵、豆類に多く含まれているほか、米や小麦などの炭水化物にも含まれています。人間の体がたんぱく質でできていることから、ほとんどの動物性食品に含まれていると言ってもいいでしょう。
アミノ酸には必須アミノ酸と非必須アミノ酸を含め数多くの種類が存在し、生体内での働きが異なります。一つのアミノ酸が多く含まれているよりも、バランスよくさまざまなアミノ酸が含まれていることが重要です。とくに体内で合成できない必須アミノ酸をバランスよく含んでいる食品を、良質なたんぱく源として積極的に摂取するといいでしょう。良質なたんぱく源の食品の指標としてアミノ酸スコアがあります。アミノ酸スコアが100点の食品は必須アミノ酸をすべてバランスよく含んでいる食品となります。以下にアミノ酸スコアと食品の例を挙げます。
- 100点の食品鶏卵、牛乳、豚肉、牛肉、鶏肉、あじ、さけ、かつおなど
- 90点の食品チーズ、そば、ベーコン、しじみなど
- 80点の食品大豆、キウイ、さつまいも、昆布など
- 70点の食品いか、くるまえび、とうもろこし、しいたけなど
日本人の主食である精白米は65点で、リジンが足りないために低い点となっています。このように他の必須アミノ酸はすべて満たしていても、一つのアミノ酸が不足しているとスコアは下がります。おかずに肉や魚の料理をプラスするなど、食品数を多くして、不足しているアミノ酸を補い合うと良いでしょう。
畑の肉と呼ばれる大豆
大豆はよく「畑の肉」と呼ばれているのをご存じでしょうか。この呼び名は、大豆が植物性食品にも関わらず、肉類など動物性食品に栄養面で劣らない良質なたんぱく質源となっていることから言われ始めました。アミノ酸スコアからみても86点と高い数値で、必須アミノ酸がバランスよく含まれていることが分かります。
また肉類に比べ、脂質が少なくカロリーが低いため健康食品としても注目されています。良質のたんぱく質はどうしても動物性食品が多く、過剰摂取すると余分な脂質やカロリーを摂ってしまいがちです。余分な脂質やカロリーは体内で脂肪となり、血中の中性脂肪やコレステロールを上げ、メタボリックシンドロームにつながってきます。
つまり、肉類ばかりの生活は、良質なたんぱく質は摂取できますが、バランスが悪い食生活に陥りやすのです。大豆はたんぱく質以外にも、食物繊維やビタミンが豊富です。中性脂肪や、コレステロール値が高い方は、油分の多い肉を避けて、一日の食事のうちにひとつ大豆食品を取り入れるよう心がけましょう。
またアミノ酸が不足すると疲労を感じやすくなったり、肌や髪の毛が傷みやすくなるのは「アミノ酸と疲労回復」「アミノ酸と肌」でも詳しく説明した通りです。他にもアミノ酸の役割はさまざまで私たちの健康維持に不可欠です。アミノ酸の摂取目安量を意識して、毎日しっかり補うようにしてください。