亜鉛の摂取量の目安
亜鉛は1日にどのくらい摂取したらよいのでしょうか。厚生労働省『日本人の食事摂取基準2015年版』によると、亜鉛の摂取目安推奨量は成人男性で12mg/日、成人女性では9mg/日とされています。妊婦はこれに+2mg、授乳婦は+3mgの付加量があります。推奨量とはある母集団のほとんどの人が1日の必要量を満たすと推定されている摂取量です。この推奨量に対して、実際、私たちはどのくらい摂取出来ているのでしょうか。
厚生労働省による国民健康・栄養調査(平成20年)によると、成人の場合、男性で平均8.9mg/日、女性で平均7.3mg/日の亜鉛を食事から摂取しています。このことから、亜鉛の摂取量は推奨量に比べて少し不足気味であることが分かります。亜鉛はダイエットや菜食、インスタント食品などの加工品の多用によって不足することが多いほか、日常のストレスなどでも常に消費されているため注意が必要です。亜鉛が不足すると亜鉛の欠乏症となり、さまざまな弊害が生じます。亜鉛を含む食品を意識的に摂取しましょう。普段からバランスの良い食事を心がけましょう。
亜鉛の効果的な摂取方法
亜鉛は私たちが普段から口にしている多くの食品に含まれています。日本人の場合は主にごはんやパンなどの穀類から摂取できます。米(精白米)には100gあたり0.6mg、食パンには100gあたり0.8mg含まれています。その他にも牛肉や牡蠣、煮干しなどの動物性たんぱく質や空豆や大豆などの豆類、ゴマやアーモンドなどの種実類、わかめやひじきなどの海藻類、抹茶やココアなどにも亜鉛は含まれています。
ただし、鉄分などと同じように、食物繊維や豆類などに多いフィチン酸、インスタント食品に多く使われている食品添加物によって吸収を阻害されますので、できるだけ加工食品やインスタント食品の摂取が多くなりすぎないよう注意する必要があります。
また、亜鉛はストレスやお酒によっても消費量が増えます。普段の食事を3食バランスよくきっちりと食べて、ストレス、お酒、医薬品などをできるだけ摂らないように心掛けることが亜鉛不足にならない一番のポイントとなります。
「耐容上限量」というものがあります。これはほとんどすべての人々が健康障害をもたらす危険がないとみなされる習慣的な摂取量の上限量のことですが、「亜鉛の耐容上限量」は成人男性で40~45mg/日、女性で30~35mg/日となっています。普段の食事から摂取する分にはこの上限量を超えることはほぼありません。また亜鉛の副作用も通常は心配する必要はありません。
やはり過剰摂取になりやすいのはサプリメントの多用による亜鉛の摂取です。サプリメントを服用する際には、用法・用量を守って正しくお使いください。
血液、尿、唾液など生体から得られる情報と十分な問診をもとに、治療を行なうクリニックです。標準的な治療以外にサプリメント、天然ホルモンを用いた栄養療法、食事指導を重点的に行なっています。病気を根本から治療するのにあたって正確な診断が必要です。そのために当院では様々な方法をとっており、重篤な疾患の場合でもその根本原因に対する治療を行なっていきます。