イーク表参道 副院長 高尾 美穂先生

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婦人科学×ヨガ×笑顔のアプローチ

イーク表参道 副院長 高尾美穂先生

経歴

東京慈恵会医科大学大学院修了、同大学附属病院勤務を経て現職に至る。
日本産婦人科学会専門医、日本体育協会公認スポーツドクター、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医、日本抗加齢医学会専門医、日本マタニティヨーガ協会マタニティヨーガ指導者資格、インターナショナルヨガセンターアシュタンガヨガ指導者など多数の資格を持ち、女性の健康を多面的にサポートする。

インタビュー

明るい笑顔でどんな質問にもわかりやすく気さくに答えてくれる高尾先生。現代医療から補完代替医療、そして最近SNSで話題の健康問題まで幅広い情報と知識を偏りなく分析、各メディアや先生ご自身のブログでも積極的に情報発信をしています。治療をするにあたり複数の方法を提示すること、その上で各々の患者さんに一番適切な方法を示すことも医師の役目だと話してくれました。

いろいろな専門があるなかで
婦人科を選ばれた理由やきっかけはあったのですか?

病気をみつけ診断をするだけでなく、患者さんと長くおつきあいしていける医師でありたいと思っていました。そう考えたときに出会ったのが婦人科でした。女性特有の病気の発見から、治療、経過まで自分たちでみていけるという意味でもそうですし、生理が始まる頃からスタートして、PMS、妊娠・出産、産後のトラブル、更年期や閉経後の不調など、患者さんの人生によりそって向きあっていけるのが婦人科です。実際、同じ女性だからこそわかること、共感できる悩みもありますし、患者さんにより近い立場でお話しもできるので婦人科を選んで良かったと思っています。

婦人科は苦手という女性が少なくないですが
先生が心掛けていることはありますか?

どなたにとっても、初めて診察を受けたときの婦人科の印象は、強く残るものです。1回目の婦人科受診で嫌な思いをされたら「もう二度と行きたくない」と思うでしょうし、実際1回目の診察がトラウマとなって婦人科が苦手という女性が少なくありません。とくに初めての方は「どんなことをするんだろう」と何もわからず不安でいっぱいのはず。ですから、事前に診察内容や手順など時間をかけてご説明し、少しでも検査前の不安を減らしていただくようにします。

誰だって股の部分に突然器具をあてられたらビクッとするものです。器具のあて方、あてる瞬間の細心の心配りで「意外に大丈夫だ」と思ってもらえるようにしています。また女性同士だからできることですが、安心してもらえるようにお腹や太ももに手をおきリラックスを促してから検査をはじめることも多いです。器具の使い方やテクニックだけでなく、気配りを惜しまないことが患者さんにとっては大切だと思っています。

婦人科とはどのようにつき合えば良いのでしょう?

日本人の子宮頸がん検査の受診率はようやく30%程度になったところです。アメリカやほかの先進国では80%を超えていることを考えるとかなり低い状況です。日本で「標準的な治療法」といわれているもの、つまり西洋医学のなかでエビデンスがあって「これは正しい」とされていることは、ガイドライン上ほぼ決まっています。インターネットをのぞけば多くの情報を簡単に入手できる時代です。自分自身の責任で自分のからだを守るために、正しくて新しい情報を見極める“目”が必要になってきます。子宮頸がんについていえば「細胞診は1年に1回受けましょう」ということは当たり前のこととして知っておいて欲しいのです。一般的には20歳を過ぎたら、といわれますが「性交渉が一度でもあったら」1年に1回は受診すべきです。

子宮頸がんは早期発見・早期治療できる病気なのですか?

子宮頸がんは生命の存続を脅かす悪性の疾患ですが、1年に1回の検診で早期発見を目指せます。子宮頸がん検診で「再検査が必要」といわれる方の多くは、がんになるよりも「前段階」での発見です。「前段階」で発見できればまず完治しますのでご安心いただきたいです。

一般的にがんは遺伝子変異の病気であることが近年わかってきていますが、子宮頸がんは違います。遺伝子変異ではなく、性交渉により感染するHPVというウイルスのうちハイリスクのタイプが子宮の入口にくり返しやってきた時に悪さし発生します。子宮頸がんの標準治療では、子宮・卵巣・卵管・腟の一部・骨盤のリンパ節などを切除しますが、このような治療も「前段階」の方には必要ありません。ここに大きな差があります。「前段階」で発見ができるかどうかが、子宮や卵巣を残せるか、ひいては妊孕性の温存が可能かどうかに大きく関わってくるわけです。より多くの女性に子宮頸がんの検査をうける習慣を身につけていただき、婦人科受診がより身近なものとなることを願っています。

先生はヨガや補完代替医療もされていますが、これらとはどうつき合うべきですか?

腹痛を訴えて救急外来に来た人の6割は病気が見つからないで帰宅するというデータがあります。病名がつくことと患者さんの症状の間には大きな隔たりがあるのです。しかしこの差を埋める方法はあります。例えば「温める」こと。鍼灸やカイロプラティック、漢方などいろいろな方法があります。これらの方法がどれだけ信憑性の高いものかはご本人が見極めるしかありません。高すぎるものは続けられませんから手を出すべきではありませんし、口コミなどで評価が異常に高く偏っているものもおすすめできません。このような極端なものは排除し、自分が心地良く続けられるものを選択するのが理想です。私はヨガもしていますので、「ヨガで生理痛が治りますか?」と聞かれることがあります。子宮内膜症などの病気が生理痛の原因になっている場合は残念ながらヨガでは治りません。また生理1〜2日目はプロスタグランジンという痛みの原因となる物質が分泌されているため、やはりヨガより痛み止めのほうが効果的です。しかし痛み止めを飲みたくないという人には漢方という選択肢もあります。一方で3日目以降の不快感は骨盤内のうっ血や血流の悪さが原因である場合が多く、この時は骨盤周辺をしっかり動かすヨガのポーズや鼠蹊部を伸ばすストレッチも有効な手段の1つとなります。

このように、いくつかの選択肢を知って何を選ぶかが大切です。いろいろな選択肢を知っていて選ばないのと、知らずに選べないのでは雲泥の差があります。女性と男性の体がどう違い、子宮や卵巣、ホルモンがどう働いているのかもぜひ知っていただきたいと思います。

高尾先生のブログはこちら http://blog.livedoor.jp/drmihotakao/

基本情報


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