東京警察病院 形成外科 澤田 彰史先生

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「サビない、肥えない、夜更かししない!」が極意

東京警察病院 形成外科 澤田 彰史先生

経歴

群馬大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院形成外科学教室入局。同教室から東京警察病院形成外科に派遣され、形成外科医としての研鑽を積む。現在も同病院に勤務しながら、他の都内総合病院やクリニック・診療所からの依頼を受け、やけど、ニキビ治療、皮膚がんの手術、床ずれの治療などから、美容外科手術、若返り手術、レーザー治療に至るまで幅広く医療に従事している。

インタビュー

形成外科医、そしてアンチエイジングのスペシャリストとして大活躍の澤田先生。外側を美しくすることばかりに注目が集まるアンチエイジングだが、体の内側と外側、美容と健康を切り分けることなく日々できることを実践することが大切で、それが予防医療につながると教えてくれる。先生自身から溢れるエネルギーと美しく輝く素肌に説得力が宿る。

形成外科医としてご活躍される先生ですが
予防医療に興味を持たれた経緯をお話しください。

私の父も医者なので自然に医者を目指しましたが、最初から予防医療やアンチエイジングに興味があったわけではありません。形成外科には怪我をされて外傷にお悩みの方、火傷を負われた方、床ずれでお悩みの方など、さまざまな問題を抱えた方がいらっしゃいます。そしてそれらの症状を、症状が起こる前の正常な状態にできるだけ戻していくのが形成外科医の役割です。でも残念ながら元通りにはならないケースもあります。できれば形成外科に来なくて済む、つまり日頃から予防をすることが一番大切だと痛感したのが予防医療に興味を持ったきっかけです。

予防医療とアンチエイジングは似ている部分もありますが
アンチエイジングへ興味を持たれたのはなぜでしょう?

勤務している警察病院の形成外科は形成・美容外科となっていて、外傷の方だけなくニキビ治療などの相談も少なくありません。ニキビ治療ではケミカルピーリングなどの外的治療も行いますが、食事指導や栄養指導も同時に行います。そこで気がついたことはニキビ治療をすることで皮膚の老化が抑制されること、そして体内の老化も遅らせることができるということでした。

老化というのは外側に現れやすい現象ですが、実は体の内側から始まっています。そのため本当にアンチエイジング望むなら内側のケアは無視できませんし、内側のケアこそすべきです。怪我を治すより怪我しないことが大切であることと同様、老化現象を治すより老化現象を予防するほうが効率的なのです。ここに予防医療とアンチエイジングの共通項があります。

アンチエイジングは予防医療にもなり得るということでしょうか?

アンチエイジングとは「老化を抑制させる行為」という印象を多くの人が持たれていますがそれだけではありません。私は美容と健康はほぼ同じことだと考えますし、抗加齢(アンチエイジング)と予防もほぼ同じことです。どちらも切り分けることはできません。見た目の美しさを維持したければ、体の内側を美しくすべきであり、体内が美しくなれば本人が意図しなくても予防医療になります。アンチエイジングの基本は「錆びない(抗酸化成分を摂る)、肥えない(適正体重の維持)、夜更かししない(睡眠を大切に)」で、これは病気予防の基本です。

先生はサプリメントも監修していますがやはりサプリは必要ですか?

もちろん食事から摂るのが一番良いにきまっていますし、食事さえきちんとすればサプリメントなんていらないという先生が多くいらっしゃって、それはその通りだと思います。

しかし、十分な量の栄養素を1日3回の食事から過不足なく摂取するのは簡単なことではありません。多くの人には難しいはずです。それをカバーするためにサプリメントはあるのです。サプリメントを強く推奨するつもりはありませんが、サプリメントなしで完璧に栄養摂取できているという人がどれだけいるかは疑問です。

最後に読者の方へメッセージをお願いします。

サプリメントを正しく摂るにはコツがあります。他の食品と同じように、原産地や材料、成分配合量などに気を配ることです。そして自分に必要なものを摂ることが何よりも大切です。自分に必要なものは体調や年齢によっても異なりますから、楽しみながら学ぶ必要があります。宣伝のようになってしまいますが何を摂れば良いかわからないという人向けに本も出していますので読んでみてください(笑)。アンチエイジングといっても病院に行ってお金をかけるばかりではありません。ほとんどのことは家庭でできます。基本は「サビない、肥えない、夜更かししない」。これを日々実践してください。病気の90%はサビつきが関係しています。サビない生活を意識してみましょう。

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