風邪やインフルエンザがまだまだ猛威をふるっています。特にインフルエンザについては、その症状から重篤な合併症を引き起こす場合もあり、恐れている人も多いのではないでしょうか? インフルエンザのシーズンは毎年11月下旬からですが、ピークを迎えるといわれるのは1〜3月です。すでにかかってしまったあなたも、まだかかっていない人も、冬の間は油断することなくインフルエンザ&風邪予防につとめましょう。今月の特集では風邪とインフルエンザの症状や予防法、かかってしまった時の対処方法についてまとめておきます。
2014/2015年シーズンのインフルエンザ発生状況
今シーズンは例年より早く流行がはじまったと報告されています。厚生労働省によれば、今年は20代にも発症が多いようです。 年齢別で見ると
0〜4歳 | 約10万人 |
5〜9歳 | 約12万人 |
10〜14歳 | 約11万人 |
15〜19歳 | 約10万人 |
20代 | 25万人 |
30代 | 約21万人 |
40代 | 約19万人 |
50代 | 約12万人 |
60代 | 約8万人 |
70代 | 約12万人 |
2014年第36週以降累計の推計受診者数は約418万人にのぼると発表されています。いったん流行すると、感染は猛烈に拡大するため、国内だけでも毎年1,000万人近くが感染しているといわれます。
(2015年1月13日厚生労働省報道資料より)
インフルエンザの型の違いって何?
よく知られているように、インフルエンザには大きく3種類あります。A型、B型、C型の3種類です。
○A型
「季節性」といわれるもので、毎年変化しながら世界中で流行します。感染力が非常に強いのも特徴です。
○B型
ウイルスが変異しにくく、ワクチンによる予防が効果的とされます。A型ほど流行せず、また症状もA型よりは軽いといわれます。
○C型
大きな流行は起こりにくく、症状も通常の風邪程度であるため、罹患しても気づかない人も多いようです。
もしかしてインフルエンザ?と思ったら……
一般的な風邪とインフルエンザは症状が明らかに違います。特に症状が辛いとされるA型インフルエンザが発症すると比較的早い段階で38℃以上の高熱がでることが特徴です。 2015年 インフルエンザA型の特徴
- 体調不良を感じた後、比較的早い段階で38℃以上の高熱が出る
- 悪寒を伴う
- 倦怠感、関節痛、筋肉痛などの痛みを伴う
- 頭痛がする場合もある
- 鼻水とくしゃみは高熱の出た後に続く
- 喉の痛みと咳(起こらない場合もある)
上記の症状がいくつか当てはまる場合は、インフルエンザである可能性が高いでしょう。速やかにマスクを着用し、医療機関で受診しましょう。
インフルエンザの一般的な治療法
①まずは検査
インフルエンザかどうかは医療機関に行くと、綿棒のような検査キットを使い鼻水を採取することで検査してもらえます。だいたい10〜15分程度で検査結果が出ますので、その場で自分の症状を確認することが可能です。陽性の場合は検査キットにラインがくっきり現れます。
②陽性の場合
インフルエンザであることが確定すると、病院や調剤薬局ではすぐに隔離されることも多くなっています。それほど感染力が強いということです。感染した場合、自分のインフルエンザを完治させるだけでなく、他人に移さないように配慮する必要があります。またインフルエンザの発生直後と、発生後48時間以降は検査をしても正確な診断ができない場合があるともいわれます。早すぎず、遅すぎず医療機関を受診するように心掛けましょう。
③インフルエンザ治療薬について
現在はタミフル(カプセル)、リレンザ(吸引)、イナビル(吸引)、ラピアクタ(点滴)などの薬があり、医師から希望を聞かれる場合もあります。これらの処方薬は自己判断でやめることなく、最後まで飲み切ることが完治のポイントです。
④受診後はとにかく安静に
受診が終わり、薬をもらったらとにかく安静にするのみです。また脱水症状を起こさないよう、こまめに水分補給を行うこと、できれば部屋の換気はこまめに行うこと、食事は消化のよいものを補給すること、などを心掛けて休みましょう。一般的に1週間程度で回復します。
⑤外出について
発症してからの3日間は、感染力が最も強く、熱が下がってからも2日間は感染させてしまう可能性があるとされます。そのため熱が下がってからも2日間は外出を控えるべきです。
自己判断はNG!
インフルエンザになっても病院には行きたくない……。そんな人もいるかもしれません。基本的には休養と栄養が治療のベースですから、その気持ちもわかります。しかし大事なことは「周囲に感染させないこと」です。インフルエンザかもしれないのに、治ったからといってむやみやたらに外出してしまえば、それが新たに感染者を増やすことにつながります。自己判断せずに、すみやかに医療機関に行きましょう。
家族がインフルエンザに!!同居する家族はどうすればいいの?
家族がインフルエンザになると、同居する家族は次は自分ではないかと心配になって当然です。予防するために、家族は以下のことに気をつけましょう。
- インフルエンザの家族とは部屋をわける
- 食事やタオルも別にする
- 空気洗浄効果のあるものを使用する(空気洗浄機、クレベリンゲル、精油による芳香浴など)
- 加湿と換気は徹底する
- 室内でも感染者だけでなく、家族全員がマスクを着用する
一番の予防法はマスク!
インフルエンザの予防はうがい・手洗い、そしてマスク!インフルエンザウイルス保菌者が電車や社内にいる可能性は極めて高く、自分が健康だからといっても、たまたま疲れている時などにウイルスをもらってしまえば、発症リスクが高まります。健康な人こそ、身を守るためにもシーズン中はマスクを着用することをオススメします。特に人混みや電車の中ではマスク必携です!
風邪の症状/風邪をひいてしまったら
ちなみに風邪の場合は発症もゆるやかで、熱も微熱程度です。悪寒や頭痛、筋肉痛といった痛みも比較的軽く、主な症状としては咳、喉の腫れや痛み、鼻水、鼻づまり、などです。
風邪もインフルエンザ同様、十分な睡眠と栄養が治療の鍵となりますが、意外に効果的なのが「うがい」です。風邪をひいている間も1時間に1回を目安にこまめにうがいを行いましょう。