サプリメントは、不足する栄養を補うために利用する食品ですから
薬のように「飲み方」に特別注意を払って慎重になる必要はありません。
普段の食事のサポートとして各商品に定められた用法・用量で飲めば問題ないでしょう。
ただ、誤った方法で摂取をすると害になることもあります。
これはどんな食品にもいえることです。
留意すべき飲み方のポイントについて下記にまとめます。
必要な栄養素が見つかったとしても、安易にサプリメントに頼りすぎず、できるだけ食事から補う努力をしましょう。サプリメントはあくまで補助に過ぎません。繰り返しになりますが、サプリメントの効果を高める唯一の方法は、食生活と生活習慣を見直すことです。サプリメントを摂っているからこそ、食事と運動、休養により一層気を配り相乗効果を高める努力が必要です。
サプリメント=体にいい、という発想から、いっぱい飲むとより効果が得られるのでは?!という幻想に陥りがちですが、まったくの誤解です。大量摂取はかえって不健康をもたらす可能性があります。サプリメントの中には凝縮された高濃度の栄養素が含まれているものもあり、過剰に飲むと簡単に1日分の摂取目安量を超えてしまう可能性もあるのです。
どんなに体に良い栄養素でも、大量に体内に取り入れてしまうとマイナスの作用が体にもたらされる場合があります。また、商品の中には、製造される過程で様々な添加物が加わっているものもあります。その商品を飲みやすくするためにカプセルを利用したり、見栄えを整えるために着色がされていたりするのです。過剰に飲むと目的の栄養成分と合わせて目的以外の添加物も過剰に摂取してしまうケースもあるのです。
サプリメントの飲み方の注意点として、もう一つ上げておきたいのは医薬品との飲み合わせです。サプリメントだからという話ではなく、食品と薬の間には、その薬の効果を過剰にしたり、逆に弱めてしまったりする相互作用が起こる組み合わせがあるのです。例えば、ある解熱剤をグレープフルーツジュースで服用すると、貧血を起こす可能性があるとか、牛乳と胃薬を一緒に飲むと吐き気をもよおしやすい、などです。特にサプリメントは一般食材と比べ栄養素に富んでいるため、薬との併用による思わぬ副作用に注意すべきです。現在持病があり服薬中の方は必ず主治医と相談し、サプリメントの飲み方について指示を仰ぎましょう。
サプリメントの飲み方で気になるのが、2、3回摂取してみたけど特に体に変化がないので止めてしまうケースや、数種類のサプリメントを同時にどんどん飲んでいるケースです。前者のケースは、サプリメントをまるで薬のように思っている人にありがちです。数回摂取したところで大きな変化が得られないのは当たり前です。食生活や生活習慣を改善して体に変化が現れるのには時間がかかるように、サプリメントもしばらく飲み続けないことには、効果が得られるかどうかは判断できません。
そして、後者のケースは、様々な種類を飲みすぎていて、いったいどれがどんな効果を体にもたらしてくれているのかが分からなくなるケースです。まずは1種類ずつ2週間ほど試してみて、自分の体に必要かどうかを吟味する事が大事です。そのうえで、また別のサプリメントを加えたり、商品を変えてみたりしましょう。
サプリメントを飲むのに注意が必要な人は、治療中で薬を飲んでいる人の他、妊娠中・授乳中の人、子どもと高齢者です。そもそもサプリメントや健康食品は病気の人を前提に作られたものではありません。病気の人がサプリメントを誤解して誤った使用方法をすると、適切な治療の機会を失って症状が悪化することや、飲んでいる薬との相互作用が起こり健康被害を生じることなどが懸念されます。 妊娠中・授乳中の人にとって各製品が安全かどうかは試験で確認することができません。母体だけでなく胎児や乳児にも影響が出る可能性は否定できませんから、妊婦や授乳中の方が積極的に摂取することは基本的に控えるように厚生労働省も注意喚起しています。
また子どもや高齢者の方も注意が必要です。サプリメントの安全性の確認は多くの場合健康な成人で行われているため、子どもや高齢者が摂取したときの影響についてはわかっていないことが多いからです。そのため特定成分が濃縮されているものやカプセル状の製品には特に注意が必要となるのです。また子どもについてはサプリメントの常用で本来身につける必要のある正しい食習慣を失うことがあってはいけません。