頭皮湿疹、かゆみの原因と対策について解説します。病気の原因や症状、対策方法まで、健康づくりに役立つさまざまな情報など。

意外に悩んでいる人が多い頭皮トラブルのこと。自分では気づいていなくても「頭皮湿疹」が起こっている可能性があります。放置しておくと抜け毛や薄毛の原因になることもあるので注意が必要です。過度なシャンプーやオリジナルの頭皮ケアで症状が悪化することもあるので、対処の仕方がわからなければ皮膚科を受診する必要もあります。

頭皮湿疹とは？

毎日シャンプーをしているのに頭がかゆい、頭に触れるとわかる小さい湿疹がある、赤く腫れているといった、頭皮にできるかゆみを伴うブツブツや赤くなる炎症のことを「頭皮湿疹」といいます。頭皮湿疹の困った点は、頭の湿疹や炎症は自分の目で見ることが難しいということです。そのため本人が気づいていないケースも多いとされています。しかし頭皮湿疹をケアせずに放置していると、炎症部分から雑菌が繁殖したり皮膚のバリア機能が弱くなったりして“抜け毛”や“薄毛”などの原因になることもあります

頭皮湿疹は一度できてしまうと、繰り返してしまいやすいトラブルでもあります。場当たり的な治療ではなく、根本的な原因を知って改善するための適切なケアを行いましょう。

かゆみの原因は？

そもそも毎日シャンプーをしていて清潔なはずの頭皮でもかゆくなるのはどうしてでしょうか？頭皮湿疹にはいくつかの種類があり、その種類によって原因も異なります。

1、脂漏性皮膚炎

皮脂が過剰に増えることで菌が発生し、その菌が悪さをして頭皮にできる湿疹を「脂漏性皮膚炎」といいます。脂漏性皮膚炎では、髪の生え際がべたついたり、頭皮だけでなく皮脂の分泌が活発な鼻の周りや口の回りにも湿疹が起こることがあります。不潔な状態で菌が増殖したことが原因になりますが、ストレスや食生活の乱れから菌の量が増えてしまうこともあり、慢性化しやすい頭皮湿疹の一つです。

2、接触性皮膚炎

皮膚に接触した物質の刺激、またはアレルギーによって生じる皮膚炎です。原因となる物質は人によって異なりますが、シャンプーやリンス、整髪料、カラーリング剤など、直接頭皮に触れるものが原因になることが多いようです。

3、皮脂欠乏性皮膚炎

頭皮が乾燥しすぎることでバリア機能が低下し、炎症や湿疹、かゆみなどが起きてしまう状態を「皮脂欠乏性皮膚炎」といいます。肌が乾燥すると荒れることがあるように、肌とつながっている頭皮も乾燥によって湿疹や炎症を起こすことがあります。冬場の乾燥やエアコンの影響、シャンプーでの洗いすぎなどが主な原因とされています。

頭皮湿疹の予防や対策は？

頭皮がかゆいからといって過度にシャンプーをしたり、爪を立てて洗ったりすることはNGです。頭皮湿疹ができている部分はとてもデリケートですので、掻いて傷をつけて悪化させることがないように気をつけましょう。

脂漏性皮膚炎の場合は皮脂の過剰分泌が原因です。まずはシャンプーの仕方や生活習慣を見直してみることが大切です。市販のシャンプーに多く含まれる界面活性剤は地肌に残ると毛穴の詰まりなどを引き起こしてしまいます。シャンプーは十分にすすぐことを心掛け、汚れやスタイリング剤などを落とす意味でも事前の予洗いもしっかりと行いましょう。

脂っこい食事や甘いものの摂り過ぎなども脂漏性皮膚炎の原因になります。ビタミンB群が不足すると頭皮湿疹を発症しやすいとされているため、普段の食事から積極的に摂るようにしましょう。

また、適度な睡眠をとり体を休めること、ストレスを抱え込みすぎないことなども、頭皮湿疹の予防につながります。

接触性皮膚炎を改善するためには、原因物質を取り除くことが必要です。シャンプーや整髪料を変えたら湿疹ができたという場合も多いようです。商品に記載されている成分表をチェックしてみましょう。

皮脂欠乏性皮膚炎では、お肌の乾燥と同じような状態なので、保湿剤などを使用するのも一つの方法です。また、刺激の強すぎるシャンプーによって保湿に必要な皮脂まで流れている可能性があるので、使用しているシャンプーを見直してみることも必要です。

いずれの湿疹も症状が強く薬による治療が必要な場合があります。自己流の治療で症状が悪化してしまう恐れもあるので、ある程度対処しても改善しなければ、早めに皮膚科を受診するようにしましょう。