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【歯周病に良いサプリメント成分】
■歯周病対策にサプリメントが良い理由
歯周病は歯と歯茎の間に隙間(歯周ポケット)ができ、そこに菌がたまっていくことが原因で症状が進んでしまう口内の病気です。症状が進むと歯肉炎、歯周炎と症状が悪化してしまいます。
歯周病の原因を防ぐためには、毎日の歯磨きが欠かせません。しかし、歯磨きだけでは菌を残さず除去するのは難しいものです。食事ごとに歯磨きができる環境に置くことも簡単ではないでしょう。そこで活用したいのがサプリメントです。
サプリメントは歯磨きの代わりにはなりませんが、歯を歯周病が起きにくい状態に保つために活用できます。歯周病予防が期待できる成分を知り、口内の環境改善に努めましょう。
■歯周病に効くサプリメント成分まとめ
ラクトフェリン
抗菌活性や免疫調節を行うたんぱく質
ラクトフェリンはたんぱく質の一種で、ヒトをはじめとする哺乳類の乳汁や唾液などに含まれている成分。菌の活動を抑える抗菌活性や免疫調節作用などの働きを持っています。
ヒトの体のなかには母乳、とくに初乳に含有量が豊富です。抵抗力が低い赤ちゃんを菌やウイルスなどから守る重量な役割を持っていると考えられています。
森永乳業は新潟大学大学院歯学総合研究科とラクトフェリンについての共同研究を開始。ラクトフェリンが歯周病の原因となるバイオフィルム(細菌が増殖することで作られる粘性のフィルム)に対し、形成の抑制と除去の作用があることを発表しました。
試験は「ポルフィロモナス・ジンジバリス ATCC33277株」と「プレボテラ・インターメディア ATCC25611株」という2種の病原菌を対象に実施。まずは悪条件下で2種を24時間培養し、その際に低濃度のラクトフェリンを添加するとどうなるかを調べる方法を取りました。
すると低濃度のラクトフェリンでもバイオフィルムの形成を抑制する作用が見られたのです。ラクトフェリンの濃度を高くすると、その作用はより高まりました。この結果から、ラクトフェリンが歯周病の抑制に期待できることが確認されたのです。[※1]
ラクトフェリンはもともと体内に存在するものですが、熱や酸などに弱いため、食べ物から摂取するのは難しいとされています。最近ではラクトフェリン入りの乳製品が増えていますが、それでも十分な量が体の中に留まることは難しいそうです。ラクトフェリンをしっかり摂取したい場合は、サプリメントの活用が望ましいでしょう。
L.ロイテリ菌
90年代に発見されたばかりの注目の乳酸菌
L.ロイテリ菌は、アンデスの山中で発見されたヒト由来の乳酸菌です。ヒト由来の乳酸菌を探していた研究者が、アンデス山中の村で暮らす女性の母乳から発見しました。そののちに日本人女性の口腔内、フィンランド人女性の母乳とさまざまな場所で発見されています。 この菌が発見されたのは90年代のこと。現在も世界最大の研究機関といわれるカロリンスカ大学で研究されています。2016年時点で乳児から大人の男女までを対象に163もの研究が進行中。これまでに150近くの論文が発表されてきました。
L.ロイテリ菌は、そもそもヒトの体内に生息している乳酸菌です。母乳をはじめ、口内、胃、小腸からも検出されています。ヒトの体にもともと存在している菌なので、体内に摂り入れても問題がないといえるのです。
L.ロイテリ菌はヒト由来の乳酸菌なので、食品にはあまり含まれていないといえるでしょう。科学者たちによって肉や乳製品などからも発見されるようになりましたが、食品からの摂取できるかというところはまだまだ研究段階であるといえます。歯周病にアプローチするための量を摂取するには、サプリメントの力を借りたほうが良さそうです。
現在は歯周病や口臭などの口内トラブルに対応するため、L.ロイテリ菌が配合されたタブレットが処方されることがあるそうです。[※2][※3]
コエンザイムQ10
美容以外にも口腔環境改善にアプローチする
脂溶性の物質で、ヒトの体内で合成されるビタミン様物質のことをコエンザイムQ10といいます。コエンザイムQ10には還元型と酸化型が存在しますが、ヒトの体内にある大部分が還元型です。ヒトのエネルギー生産、抗酸化作用とさまざまな面で力を発揮しています。 コエンザイムQ10は美容、特に肌に関する成分としてイメージする人が多いことでしょう。しかし、最近の研究では、口腔内の環境改善の面でも注目が集まっています。
株式会社カネカは、日本大学歯学部歯周病学講座の教授との共同研究で、コエンザイムQ10が口腔内環境、特に歯周病に対して改善効果が見られたと発表しました。
発表された試験内容は、軽度~中程度の歯周病が見られるボランティア45名(男性37名、女性8名)を対象に実施。還元型のコエンザイムQ10とプラセボのどちらかを摂取するグループに分かれてもらい、それぞれの1ヶ月後と2ヶ月後の様子を確認しました。確認した項目はプラークの付着程度、歯周ポケットの深さ、プローブという器具を用いた歯周組織の様子(プロービング)です。これによると、コエンザイムQ10を摂取したグループは摂取していないグループに比べてプラークの量、プロービング時の出血量がすくなかったことがわかりました。[※4]
歯周病へのアプローチや予防などを考えている人は、食品やサプリメントを摂り入れた食事を考えてみてはいかがでしょうか。食品で摂取する場合は、イワシをはじめとする青魚がおすすめ。野菜ならブロッコリーにコエンザイムQ10が豊富に含まれています。[※5]
なた豆に含まれる成分
マメ科最大級の大きさを誇る一年草
マメ科の一年草で刀豆(とうず)とも呼ばれるなた豆は、マメ科の一年草の中では最大級の大きさで、長さは5m以上、サヤも40~60cmまで大きくなります。
原産はアジアの中でも亜熱帯の国々。中国の長江流域、南方の各省で栽培されることが多く、中国では漢方の食材として用いられているそうです。
日本にやってきたのは江戸時代のはじめごろ。1696年ごろに刊行された「農業全書」に「刀豆」として登場しているそうです。サヤの形が刀の鞘に似ているところからなた豆という名前が付いたのではないかといわれています。
なた豆はカルシウムやカリウムなどのミネラルを豊富に含んでいる植物。そしてカナバニンという成分が含まれています。カナバニンはアミノ酸の成分の一種で、なた豆から初めて抽出されました。
カナバニンは排膿作用、抗炎症作用が期待されています。これまでに血液と体液の浄化作用と血行促進作用が確認されました。これらの作用は歯周病をはじめとする口腔内のトラブルへの効果的なアプローチが期待できます。[※6]
なた豆はそのまま煎じたものを飲むか、煎じて出てきたエキスで歯を磨くといった方法で歯周病へのアプローチができるようです。最近ではなた豆が配合されている歯磨きも販売されているので、直接的な効果を得たいという人は使用してみてください。
カミツレに含まれる成分
カモミールの名で有名なハーブの一種
ハーブの一種で、カモミールとも呼ばれているカミツレ。カミツレを使ったハーブティーを飲まれている人も多いのではないでしょうか。ヨーロッパでは、カミツレをハーブとして楽しむよりも薬草として使っていた時代が長かったようです。カミツレを使ったハーブティーも、体を温めることで生理不順、更年期障害へのアプローチに重宝されていました。
カミツレがもたらす一番の効果として挙げられるのが温め作用。この温め採用は更年期障害、自律神経失調症といった現代人が患いやすい症状に活躍が期待されています。
もう一つ注目したいのが歯周病、口臭へのアプローチです。カミツレは抗炎症成分を豊富に含んでおり、抗アレルギー作用に組織の再生を促進する作用まで持っているといわれています。このことから、カミツレ入りのハーブティーが口腔内のトラブル改善に期待できるのではないかと言われているのです。
ドイツでは、濃い目に煎じたカミツレのハーブティーを使ってうがい薬やマウスウォッシュなどを作って口腔内の改善に利用している人が多いといわれています。抗炎症作用に優れている点も、医療機関の処方する薬に使われていることを知れば、その効果のほどがわかるでしょう。
カミツレはハーブティーで煎じて飲むことが多いと思われますが、ハーブ独特の香りが苦手という人は、サプリメントの活用を考えてみてはいかがでしょうか。[※7]
トラネキサム酸
注目される歯周病へのアプローチ
トラネキサム酸は、歯周病の予防が期待できる成分です。1981年、ライオン株式会社が日本歯周病学会誌にて研究結果を発表。その際にトラネキサム酸が歯周病に効果のある成分であるということが広まりました。
ライオン株式会社は242人を対象に実験を実施。トラネキサム酸が配合された歯磨き剤により1日2回の歯磨きを8週間続けてもらったところ、歯ぐきからの出血、歯周病の炎症による歯の赤み(発赤)、歯肉炎に効果が表れたそうです。トラネキサム酸は、現在歯磨き剤や洗口液などに広く使用されています。[※8]
β-グリチルレチン酸
古くから薬として重宝されてきたカンゾウの根に含まれる
マメ科の植物である甘草(カンゾウ)の根に含まれるグリチルリチンの融合体がβ-グリチルレチン酸です。主な作用は抗炎症作用で、スキンケアや外用剤などさまざまな商品に使われており、歯磨き粉にも歯周病、歯肉炎の炎症へのアプローチのために配合されています。[※9][※10]
<参考文献>
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【歯周病をもっと知る】
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セルフケアで対応できない場合は歯科治療 […続きを読む]
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