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【味覚障害の主な原因と症状】
味覚障害の大きな問題は、味がわからなくなることで食事が楽しめなくなり生活の質が下がることや、味付けが濃くなり高血圧や糖尿病といった生活習慣病のリスクが上がることなどがあります。味覚障害の原因はさまざまですが、65歳以上ではリスクが上がるため老化現象の1つとも言えます。しかし近年は若者の味覚障害が増えていて、それは食生活の乱れや精神的問題とも関与していることが考えられます。
味覚障害の問題点
何かを食べて味がわからない」「味が薄く感じる」「味つけが濃くなったと家族から指摘された」など、味覚の異常に悩む「味覚障害」の人が最近増えています。味覚障害は少しずつ症状が進む特徴があります。そのため、気がついた時にはかなり症状が深刻化していた、というケースも少なくありません。味覚の異常は食事の楽しさを奪い、生活の質を低下させてしまいます。また、味がわからなくなることで、塩分や糖分を過剰に摂取してしまい、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を悪化させるリスクにもつながります。
味覚障害の原因は?
味覚は舌の表面にある味蕾(みらい)と呼ばれる感覚器官が、甘味・塩味・酸味・苦味・うま味といった味の情報を受け取り、脳に伝えることによって感じます。実はこの味蕾は、加齢によって衰えることがわかっていて、65歳以上では味覚障害になるリスクが高くなる傾向があります。しかし最近では10代20代といった加齢とは関係のない若い世代でも、味覚障害を訴える人が増えてきているのです。 加齢以外で味蕾が障害を受ける原因には、加工食品の取りすぎなどの偏った食生活や無理なダイエットによる“亜鉛不足”が考えられます。亜鉛は味蕾細胞の新陳代謝のために重要な成分で、亜鉛が不足すると味蕾の働きが低下してしまい味覚障害を発症しやすくなります。味蕾という細胞は短い周期で新しく生まれ変わるため、たくさんの亜鉛を必要とするのです。加工食品の中には亜鉛の吸収を妨げてしまう成分が含まれているものもあり、コンビニやファストフードなどの加工食品に偏りがちな食生活の乱れが、若い世代の味覚障害を引き起こす原因の一つであると考えられます。
味覚障害は、食生活の乱れによる亜鉛不足以外にも、降圧剤、抗生物質、抗がん剤などによる薬の副作用で起こるものや、精神的なストレス、風邪などのウイルスが原因となって引き起こされているものなどがあります。また、貧血(鉄欠乏性貧血)や顔面神経麻痺、ドライマウスなどの別の疾病が原因となり、味覚障害が起こる場合もあります。
味覚障害の症状は?
味覚障害は症状によっていくつかの種類に分類されます。
□自発性異常味覚:何も口に入っていないのに苦味などを感じる
□味覚低下:食べ物の味が薄く感じる
□味覚消失:食べ物を口に入れても何も味を感じない
□乖離(かいり)性味覚障害:特定の味覚(特に甘味)だけを感じとれない
□異味症:本来の味と違う味を感じる
□悪味症:何を食べてもおいしく感じられず嫌な味がする
味覚障害の中で最も多いのは、味覚低下や味覚消失で、患者全体の7割をしめていると言われています。次に多いのは自発性異常味覚です。
辛い物が好きなのは味覚障害?
辛いものばかりを好んで食べるのは、単にその人の嗜好だと考えられます。ただし、「辛くしなければ味を感じない」というような状態になってしまったら、味覚障害の可能性があります。特に辛いものは味蕾に対する刺激がとても強いため、摂取しすぎることで味蕾の働きを低下させてしまう危険があります。最近は激辛ブームで、甘党ならぬ辛党という言葉も出ているほどです。辛い物は脳内麻薬を分泌するため中毒性があります。ストレスによって辛い物を欲することもあるため、生活習慣の乱れや精神的なストレスには注意しましょう。
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