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【心筋梗塞の原因とその症状、予防法】
心筋梗塞は手当が早いほど治癒する確立が高いことがわかっています。心筋梗塞が疑われたらためらわずに救急車を呼ぶべきです。心筋梗塞については北欧地域に住むイヌイットの人たちにおいてその死亡率が非常に低いことがわかっており、イヌイットの人々の血中に豊富に含まれるDHAとEPAとの関係性が指摘されています。日本人は魚を食べる機会が減っているため、食事に関しては見直せる部分が多々ありそうです。
心筋梗塞の症状は?
心筋梗塞は、血栓が血管を完全に塞ぎ、その先の心臓の筋肉(心筋)が酸欠になり一部が壊死(死滅)してしまった状態をいいます。いったん死んでしまった心筋は元には戻りません。
心筋梗塞では非常に強い圧迫感や激しい痛みが起こり、冷や汗や吐き気を伴うこともあります。症状は20分以上、ときには数時間に及ぶこともあり、硝酸薬(ニトログリセリン)などの薬を使用しても痛みは治まりません。心不全や危険な不整脈を伴うと死亡率40%にまで高まり、そのうちの70%は発作から1~2時間で亡くなってしまいます。手当てが早いほど治癒する確率も高いので、心筋梗塞が疑われたらすぐに救急車を呼びましょう。
心筋梗塞の治療
治療技術の進歩により、心筋梗塞は発症後6時間以内にカテーテルによる治療を受けることができれば、死亡率を10%未満に抑えることができるようになっています。 カテーテルによる治療とは、閉塞部分に対してカテーテルを使用して障害を取り除き、血流を回復させる療法で、心筋梗塞の治療法の主流となっています。カテーテル治療がむずかしい場合は、バイパス手術などの外科的治療が行われることもあります。
心筋梗塞と狭心症の違い
狭心症と心筋梗塞の大きな違いは、“心筋が回復するか”どうかにあります。狭心症では心筋は回復しますが、心筋梗塞で死んでしまった心筋は回復しません。
他にも、狭心症(労作性の場合)では痛みが運動やストレスによって起こるのに対して、心筋梗塞では安静時でも突然激痛が起きること。狭心症では発作は数分で治まり、硝酸薬(ニトログリセリン)などの薬が効くのに対して、心筋梗塞では次第に強くなる痛みが長く続き、発作止めの薬も効かないことなどの違いがあります。
心筋梗塞は早めに治療をすることが重要なので、痛みが続く場合は我慢せずに病院へ行きましょう。糖尿病や高齢者の人では、心筋梗塞でも痛みをあまり感じない場合があります。冷や汗や吐き気、血圧の降下など、狭心症にはない他の症状にも注意してみることも必要です。
心筋梗塞を予防するための食事
心筋梗塞の患者数の多い欧米では、早くから心筋梗塞と食事との関係が研究されてきました。そこで注目されたのは、グリーンランドなど北方地域に暮らすイヌイットの食事でした。イヌイットは主に魚類やアザラシを食べ、ほとんど野菜を食べないのにも関わらず、心筋梗塞による死亡率が極端に低く、デンマーク人の10分の1にも満たなかったのです。
調べた結果、イヌイットの人々の血液中には、魚類に豊富に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)が豊富に含まれていることが明らかになりました。DHAとEPAは脂肪酸の一種で、血小板が集まるのを予防し、血液をサラサラにする働きがあるとされています。心筋梗塞を起こす血栓は、血液がドロドロ状態であるほど起こりやすくなります。そのためDHAとEPAを摂ることは血栓を防ぎ、心筋梗塞の予防に繋がるのです。
昔から魚をよく食べていたはずの日本でも心疾患の患者数が増加しているのは、肉類など脂肪分の多い欧米型の食事が日常化し、魚を食べる人が減っていることが関係しているのではという指摘があります。そこで、生活習慣病の予防のためにも、日本人がもともと食べていた“魚料理中心の和食”が見直されつつあります。魚がどうしても苦手な人や、忙しくて食事のバランスが乱れがちな人は、DHAやEPAが配合されたサプリメントを利用してみるのも一つの方法です。
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