通年通して増加している花粉症について解説します。病気の原因や症状、対策方法まで、健康づくりに役立つさまざまな情報など。

気になる病気や症状がある場合は調べてみましょう。

【通年通して増加している花粉症】

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花粉症に悩む人が増加しています。日本人の4人に1人は花粉症と言われるほどです。スギやヒノキの花粉症が有名ですが、原因となる物質は60種類以上もあると言われ、近年では、春だけでなくオールシーズンで花粉症に悩まされる人が増えているのです。ここでは季節ごとにどのようなものがアレルゲンになっているのかをまとめています。


花粉症といえば春がシーズンだと考える人が多いと思いますが、今はそうではないようです。春だけでなく、全ての季節で花粉症に悩んでいる人が増加しているのです。どの時期にどんな種類の花粉が飛んでいて、どれがアレルゲンとなるのでしょうか? いまや日本人のおよそ25%、4人に1人が花粉症であると言われています。“季節性アレルギー”とも呼ばれる花粉症は、原因となる花粉の飛ぶ季節にだけ症状が出ることが特徴です。スギ、ヒノキなどが有名ですが、原因となる物質はもはや60種類以上とも言われていて、自分が反応している花粉の種類を知ることが、花粉症予防や緩和治療の第一歩となるのです。

春の花粉症

といえば花粉症の季節と思われていることも多く、毎年ニュースなどでもこの時期花粉症が多く取り上げられています。温かくなり様々な植物が芽吹き開花するこの季節は、実際多くの花粉症が発症する時期でもあります。

2月~5月頃に多く花粉が飛散するスギやヒノキは有名ですが、それ以外にも注意が必要な植物がハンノキです。ハンノキが属するブナ目には多くの種があり、身近な公園から山地など日本各地に分布しています。花粉が飛ぶ時期は1月~6月頃とスギやヒノキと重なっているため、少し早い時期に症状が出ている人はハンノキの花粉が原因かもしれません。ハンノキはOAS(口腔アレルギー症候群)の感作アレルゲンになる可能性が高く、ハンノキ感作の半数近くがOASになっているという報告もあります。

OASとは特定の果物や野菜などを食べることにより 口・唇・喉などの口腔粘膜やその周辺にかゆみやイガイガ感などのアレルギー症状が起きるもので、多くは花粉症に合併します。OASは症状が軽いため気づきにくいのですが、原因食物を繰り返し摂取することで、重篤な症状を引き起こす可能性もあります。特に子どもの場合、口の不快感があっても上手に表現できず、好き嫌いだと誤解されやすいので、気になる様子が見られたら「口がぴりぴりしない?」などと具体的に聞いてみることも必要です。

夏の花粉症

スギやヒノキの花粉は落ち着きますが、夏でも花粉症になることがあります。「夏になると必ず風邪を引く」という人で鼻水の症状が強い場合は、実は夏の花粉症かもしれません。夏の花粉で多いのは、イネ科の植物の花粉であるカモガヤやハルガヤなどです。梅雨の時期は湿気の影響で花粉が飛散しにくいのですが、晴れた日や風の強い日は要注意です。ただしイネ科植物の花粉の飛散距離は数キロ以内と言われ、スギなどに比べて距離が短い特徴があります。そのため対策としては、イネ科の植物が多い場所(水田や堤防の近くなど)には近づかないようにする、家の近くにある場合には窓を開けない、ことなどが有効です。

また、梅雨のない北海道では夏の花粉症の発症率が多いようです。スギ・ヒノキの花粉が落ち着いてから花粉症の症状が出たら、血液検査をしてイネ科の花粉症ではないか調べてみるとよいでしょう。

秋の花粉症

8~10月に多いのは、キク科のブタクサ・ヨモギなどの花粉症です。アメリカではブタクサによる花粉症患者が一番多く、日本ではスギ、ヒノキについで花粉症患者が多いとされています。ブタクサの花粉症の人は、メロン、スイカ、カンタローブ、ズッキーニ、キュウリ、バナナなどを食べると、OAS(口腔アレルギー症候群)の症状が現れることがあるので注意が必要です。

また秋は花粉以外にも、ガやユスリカ、ゴキブリなどの死骸が粉状になったものを吸入することによりアレルギー症状が引き起こされる昆虫アレルゲンや、空中真菌(カビ)が原因となるアレルギーが増える時期でもあります。

冬の花粉症

花粉症の患者にとって唯一安心できる季節とされるのが冬ですが、まれにキク科の植物アキノキリンソウなどの花粉症が起こる場合があります。また、春の花粉症として前述したハンノキの花粉の飛散時期は1月からですので、まだ寒い時期からでも花粉症の症状が現れることがあります。

冬の花粉症は空気が乾燥して鼻の粘膜が荒れやすくなっていることも発症の原因になるので、マスクをすることが対策・予防につながります。

地域による違いも

また日本列島は南北に長い地形のため、地域によっても飛散する花粉の種類や時期に差が出ます。例えば、北海道・沖縄にはスギはほとんど存在しないため、スギによる花粉症はほとんどありません。北海道や東北地方で多い花粉症はシラカバによるものです。沖縄では花粉症の患者がとても少ないことが知られていますが、まれにモクマオウという植物の花粉症が発症することがあります。

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