花粉症の最新治療法について解説します。病気の原因や症状、対策方法まで、健康づくりに役立つさまざまな情報など。

気になる病気や症状がある場合は調べてみましょう。

【花粉症の最新治療法】

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舌下免疫療法という治療法をご存知でしょうか。アレルゲン物質をごく少量体に取り込み徐々に慣らしていくことで過剰なアレルギー反応を起こさないようにする方法です。花粉症における免疫反応とは、体内に入ってくる物を過剰に「異物」と反応しすぎている状態ですが、体の中に「菌」が少ないことが原因なのでは、とも言われます。幼少期からの過剰な除菌生活で本来共存できるはずのものが体にとってはアレルゲンになっている可能性があるのです。

舌下免疫療法とは?

舌下免疫療法はアレルゲン免疫療法の一つです。アレルゲン免疫療法とは、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を少ない量からゆっくり増やして体内に入れて治そうとする方法です。アレルゲンを徐々になじませることで、過剰な免疫反応を引き起こさないようにします。舌下免疫療法では、アレルゲンを含むエキスを舌の下に入れて2分間ほどそのまま置き、体内に吸収させていきます。

従来、アレルゲン免疫療法は注射により行う皮下免疫療法が中心でした。しかし注射の痛みや副作用の心配から、あまり普及していたとは言えませんでした。そこで研究され開発されたのが舌下免疫療法です。舌下免疫療法は注射の痛みや通院の必要がないこと、そして副作用の心配が少ないという安全面からも、花粉症に悩まされる多くの人から注目を集めている治療方法なのです。

舌下免疫療法の期間は?いつから始めるの?

花粉が飛びはじめてから開始するとアレルゲンとの接触量が増えてしまうことから、花粉飛散の3ヵ月前からの治療が必要になります。仮に自分のアレルゲンが2月頃から飛散が始まるスギ花粉とすれば、少なくとも11月以前に治療開始することが望ましいです。

また、治療は最低2年間、毎日1回継続する必要があります。舌下免疫療法は、始めたら数日で効果の出るような治療ではなく、長い時間をかけて少しずつ体質を改善する治療法です。効果や治療期間には個人差がありますが、大体3~5年かけて治療を行えば、治療を止めても効果が長く持続すると考えられています。

舌下免疫療法ができる人、できない人

海外では5歳以上を対象としているケースがありますが、日本のスギ花粉症における舌下免疫療法については12歳以上が対象となっているので、小さな子どもは原則として受けることができません。適応年齢の上限はないため、高齢者でも治療を受けることができます。

他に、妊娠中または妊娠を希望している人、喘息や気管支喘息の症状が強く出ている人、重症の口腔アレルギー(OAS)の人、口腔内の術後(抜歯など)、傷や炎症などがある人、ステロイドや抗がん剤、β阻害薬使用など特定の薬を使用されている人などは、アレルゲン免疫療法を受けることはできません。

舌下免疫療法の注意点は?

副作用を避けるためには、投与後、5分間はうがいや飲食を避け、2時間は激しい運動や入浴などは避ける必要があります。舌下免疫療法は副作用の心配が少ないとされていますが、稀にアナフィラキシーショックなどの副作用が報告されていますので、必ず専門の医療機関にかかり治療を行う必要があります。主な副作用は口内炎、舌の下や口の中の腫れ、喉や耳のかゆみです。また、舌下免疫療法はすべての花粉症の方に効果が期待できるわけではありません。

舌下免疫療法は長期間、毎日行うことが必要な治療ですので、途中で止めてしまうと効果が得られません。根気よく続けることが大切です。自己判断で治療を中断したり再開したりせず、医師の指導に従って治療をしてください。

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