冷えを解消するのに役立つサプリメント成分について解説します。病気の原因や症状、対策方法まで、健康づくりに役立つさまざまな情報など。

気になる病気や症状がある場合は調べてみましょう。

【冷えを解消するのに役立つサプリメント成分】

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ここでは体の血流を促す作用のあるサプリメント成分をご紹介します。血流を促す成分も即効性のあるものと体質改善に役立ちじっくり機能していくものなどさまざまな種類があります。即効性のあるものはここぞという時に利用し、体質改善のためには1~2か月1つの機能性成分を継続利用してみると良いでしょう。


■冷え性対策にサプリメントが良い理由

冷え性の対策としてサプリメントを使用する一番のメリットは、手軽に成分を摂取できることです。

食べ物だけで必要な量を摂取しようとする場合、1日で食べきれないほどの量が必要になるため、現実的ではありません。またカプサイシンの場合はトウガラシに含まれているため、辛味が苦手な人は摂取するのが大変です。

中には食べ物ではなく木に含まれている成分もあるため、そのまま摂取できないものも。そのため、食べ物だけで必要な成分を摂取するのは非効率だと言えます。

しかし、冷え性に良い成分が入ったサプリメントであれば1日の目安摂取量を飲むだけで効率的に冷え性へのアプローチが可能です。苦手な食べ物だとしても、味や臭いを気にせず手軽に摂取できるのが魅力。サイズが小さいので、ケースに入れて簡単に持ち運べるというメリットもあります。


■冷え性に効くサプリメント成分まとめ

ショウガ

生と加熱後で成分及び作用が変わる食材

ショウガには、ジンゲロールとショウガオールという2つの成分があります。ショウガの持つ風味や辛味は、この成分がもととなり、引き出されているのです。

ジンゲロールは血の流れを良くする働きがあるとされており、体の表面温度を上げる効果が期待できます。体の隅々まで血流が行き渡るため、手や足先が冷えやすい人におすすめの成分です。

また体内にある余分な熱を放出してくれるので、風邪で熱がある時や夏の暑さで体がダメージを受けている時などに摂取するのがおすすめ。

ジンゲロールは生のショウガから摂取できますが、加熱することでショウガオールへと変化します。ジンゲロールとは全く別の成分になり、作用する効果も変わるのが特徴です。

ショウガオールは胃腸を刺激し、体の深部で熱を作り出します。体の中から温かくなり、エネルギー消費効果も期待できる成分です。ただし刺激が強いため、一度に多く摂取するのはNG。胃腸が弱いと腹痛や下痢、肌が乾燥していると皮膚の炎症を起こす可能性があります。1日の摂取量は10g。大きさは大人の親指の第一関節ほどです。あくまで目安ではありますが、特に胃腸の弱い人や乾燥肌の人は量を守って摂取するようにしましょう。

カプサイシン

血管拡張作用や発汗作用のある成分

トウガラシに含まれているカプサイシン。代謝向上と血管拡張作用がある成分です。脳神経に作用するため、体温上昇だけでなく冷え性改善も期待できます。発汗作用もあるため、汗をかいたら体温を下げないよう、こまめに拭くようにしましょう。

カプサイシンは炭素・水素・酸素・窒素で構成されている有機化合物。沸点が210℃と高いため、気体になりにくいのが特徴です。砕いただけで辛さが和らぐことはありません。その性質上、加熱してもカプサイシンは壊れないため、調理後も辛味が残ります。

辛味が苦手な人にとって摂取しづらいカプサイシン。実はこの辛味は、クエン酸やガセイン、油分を含んだものを一緒に摂取することで、和らげることが可能です。カゼインは牛乳に含まれている成分で、辛味をブロックできます。クエン酸も同じくカプサイシンの辛味を和らげるので、同時に摂取する場合はレモネードといったクエン酸の入った飲み物と一緒に摂取すると良いでしょう。

カプサイシンは脂溶性で、油には溶けますが水には溶けにくい成分を持っています。辛味を和らげる方法として、油分を含むスープと一緒に摂るのがおすすめです。また牛乳やレモネードも、辛味を抑えてくれます。

ココア

複数の効果が期待できるポリフェノール

チョコレートと同じくカカオ豆から作られるココア。主成分はポリフェノールで、血の流れを良くする作用があります。ポリフェノール以外に含まれているテオブロミンやプロシアニジンは、手足の末梢血管を拡張させて、冷え性やむくみを改善する効果が期待できる成分です。

血行促進以外にも、複数の健康効果を持つココア。ポリフェノールは腸内の善玉菌を増やして、お通じ改善にアプローチしてくれます。また、シミやくすみの原因となる活性酸素の働きを抑制。冷え性だけでなく、お腹や肌の悩み改善をサポートしてくれます。

ココアには砂糖やミルクが入っているミルクココアと100%カカオ豆で作られたピュアココアがありますが、冷え性に悩んでいる人におすすめなのはピュアココアです。砂糖やミルクが入っているミルクココアは、ピュアココアに比べてハイカロリーなので、カロリーを抑えたい場合はピュアココアを選びましょう。自分でミルクや砂糖を入れ、好みの味に調節できるのもポイントです。市販のミルクココアには飽和脂肪酸や糖分の含まれているものがあり、血糖値の上昇や体重増加のリスクがあります。体重の増加や糖尿病の初期症状で手足が冷えることも。冷え性を防ぐためにも、甘さを控えたピュアココアを選ぶようにすると良いでしょう。

ニンニク

臭いは強烈でも、健康・美容効果を望める食べ物

ニンニクに含まれているアリシンという成分には血管拡張や血が固まるのを防ぐ働きがあるため、血の流れをスムーズにする効果が望めます。アリシンには殺菌・抗菌作用があるため、風邪予防にもおすすめの食べ物です。

冷え性改善や風邪予防以外にも、さまざまな働きを持つニンニク。細胞活性作用を持っており、皮膚の老化を防ぎます。血管が拡張して、新陳代謝が上がると肌の保湿・バリア機能が向上するため美肌効果も望めるのが魅力的。

しかし、にんにくは臭いが強い食べ物のため、食べた後はどうしても口臭が気になってしまうものです。ニンニクの臭いはアリシンが酸化することが原因で発生しますが、いくつか臭いを抑える方法があります。ニンニクを食べる前であれば、牛乳や緑茶を飲むのがおすすめです。牛乳に含まれるたんぱく質がアリシンと結合して臭いをブロック。緑茶に含まれるカテキンが臭いを分解してくれます。緑茶だけでなく青汁にもカテキンが含まれるうえ、緑茶よりもカテキンの量が多いので青汁を飲むのも良いでしょう。

ニンニクを食べた後であれば、ポリフェノールとカテキンを含んだリンゴを食べる、半身浴で臭いのもとを毛穴から出すといったやり方もあります。

黒酢

アミノ酸とクエン酸が豊富な肝臓の味方

昔から親しまれている黒酢。クエン酸やアミノ酸が含まれており、この2つの成分に代謝を向上させる働きがあります。代謝が向上することで熱エネルギーが体全体に広がるため、冷え性の緩和につながるのです。

また、熱を作る肝臓の機能を上げる働きもあります。肝臓はアミノ酸で生成されているので、アミノ酸を含む黒酢と相性が良いのです。肝臓にあるクエン酸回路を活発にさせる作用もあります。

肝臓は寝ている間にも動いており、体温が下がりすぎるのを防ぐ大切な器官です。機能を維持するためにも、定期的にアミノ酸やクエン酸を摂取する必要があります。ただ、一度に黒酢を大量に摂取してもより高い効果を得られるわけではありません。1日の摂取量を調節することが大切です。

冷え性は血行が悪くなることでも起こりますが、黒酢で血行促進できる可能性があります。クエン酸には血液をサラサラに保つ働きがあり、血小板が固まる働きと、白血球の粘着性を抑制。アミノ酸にも血流を良くする効果があるとされているため、冷え性だけでなく肝臓機能の改善も期待できます。

エゾウコギ

体を元気づける、ビタミン豊富でタフな植物

エゾとは北海道の古名。エゾウコギは、北海道の厳しい環境でも自生する育つ強い植物です。ビタミンが豊富に含まれており、ほかにもイソフラキシジンやクロロゲン酸といった成分が含まれています。

イソフラキシジンには、血液をサラサラにする効果があるとされています。血流が良くなるので手足の冷えを抑えられるうえ、頭痛や肩こりといった症状にもアプローチできるのが魅力です。

イソフラキシジンには血行促進以外にも、自律神経を整える作用もあります。自律神経が整うことで体温調節も正常に働き、冷え性改善へのアプローチが可能です。

クロロゲン酸はポリフェノールの一種で、抗酸化作用を持つ成分。血管を老化させる活性酸素の働きを抑制できます。エゾウコギにはビタミンAやビタミンB1など、ビタミン類も豊富です。血行を促進するだけでなく、血管の老化も抑制できるので、血行不良からくる冷え性にも改善効果が期待できます。

ハーブティーとして飲むことができ、ネット通販で気軽に購入が可能。サプリメントでも販売されています。1日に摂取する量の目安は2~3gほど。連続して摂取すると耐性がつく可能性があるため、間隔を空けて摂取することをおすすめします。

イチョウ葉エキス

複数の働きで血行促進をサポートしてくれる生きた化石

名前の通り、イチョウの葉から抽出されるエキスです。血小板から生成されるトロンボキサンA2という物質の働きを抑制します。トロンボキサンA2は血小板を固めて、血管を収縮させる物質です。血流を妨げる原因になりますが、イチョウ葉エキスが働きを抑えて血行をサポートしてくれます。血小板を固めるPAFの働きも抑えてくれるため、血液のサラサラな状態を維持できるのも嬉しいポイント。

イチョウ葉エキスには血行を維持するだけでなく、活性酸素の生産を抑制する作用もあります。活性酸素が血液中の悪玉コレステロールを刺激することで、悪玉コレステロールが酸化。酸化した悪玉コレステロールは粘度を持つようになり、血の巡りを悪化させます。イチョウ葉エキスは活性酸素を抑えてくれるので、サラサラな血液を維持すると効果が期待できるのです。

イチョウ葉エキスで血行促進のサポートをすることにより、冷え性だけでなく耳鳴りやめまいといった症状の改善・予防にもつながります。イチョウ葉エキスの血流改善作用は昔から注目されており、最初に研究結果が出たのは1960年代のドイツです。生命力が強く、太古の時代からあるとされているイチョウは生きた化石とも呼ばれます。世界中で医薬品として認可されるなど、効果に期待が持てる成分です。

ヒハツ

辛味のもとで代謝と体温上昇をサポートしてくれる植物

東南アジアにあるコショウ科の植物です。ショウガやトウガラシと比べて味にクセがないため、辛味が苦手な人でも手軽に摂取できます。薬味や生薬として利用されており、「ナガコショウ」や「ロングペッパー」としてスーパーの調味料コーナーや通販で購入できる身近なもの。コショウの代用品として使う方法もあります。

ヒハツが冷え性に良いとされる理由は、ピペリンと呼ばれる成分があるから。ブラックペッパーの辛味のもとであり、代謝向上や血管拡張作用を持つ成分です。

血管拡張により血の巡りをサポートして、体温の上昇につなげます。血流が良くなることで、冷え性だけでなく血行不良による肩こりや頭痛にもアプローチできるのがメリットです。

ピペリンがアドレナリンの分泌を促すことで、代謝が向上します。エネルギー消費が増加して、結果的に体温が上昇。冷えにアプローチします。代謝を上げることで栄養の吸収率も上がることから、ピペリンは吸収力を高めるサポート役としてさまざまなサプリにも含まれている成分です。

ヒハツは現在、副作用に関する報告がありません。自然由来のため副作用のリスクは低いものの、一度に大量摂取すると辛味成分であるピペリンが胃腸を強く刺激してしまうおそれがあります。そこから下痢や腹痛を引き起こす可能性があるので、1日当たり小さじ半分程度を目安に摂取しましょう。

マカ

豊富な成分が含まれているアンデスの植物

アンデス山脈に生えている植物で、高い栄養価を持つマカ。冷え性だけでなく、動脈硬化の防止も期待できます。

マカはビタミンB群やビタミンEなどを含む、抗酸化作用を持った植物です。ビタミンB群は新陳代謝を向上させて熱やエネルギーの生成をサポート。ビタミンEは手足の血管を拡張することで、血の流れがスムーズになるように働きかけてくれます。

マカの持つ魅力は豊富なビタミンだけでなく、活性酸素を抑制する抗酸化作用にもあります。活性酸素とは酸素が変化したもので、体内で増えすぎると細胞や遺伝子を酸化させるのが特徴。活性酸素が増えることで血管の老化を招くとされており、血の巡りが悪くなる原因となります。

抗酸化作用で活性酸素を抑えることにより、血管老化の防止につながるのがメリットです。

マカは生で国外に持ち出すことを法律で禁じられており、必ず加工されてから輸入されます。サプリメントとして販売されており、気軽に摂取できるのが利点です。安全性が高いとされていますが、人によっては作用に差が出る可能性が。サプリメントで摂取する場合は、1日の目安量を守って飲むと良いでしょう。

ピクノジェノール

冷え性だけでなく、老化防止も期待できる自然由来の成分

フランスにある海岸松の樹皮から抽出された食品で、血行の改善効果があるとされています。

体内にある一酸化窒素の産生をサポートする働きを持ち、血管周囲にある筋肉の弛緩を促進。ストレスによる血管の収縮を防止できるため、血行の維持をサポートできるという仕組みです。

血行促進のほかにも、ビタミンEやビタミンC以上の抗酸化作用を持っています。抗酸化作用で活性酸素による血管への刺激を抑制。結果として血が体の隅々まで巡り、体温の上昇が望めます。

抗酸化作用によって、血管だけでなく肌のシワやシミ予防にもアプローチが可能。ピクノジェノールを摂ることで美肌効果も期待できるのがメリットです。

月経痛への影響を調べるために行われた札幌厚生病院の実験では、対象者18人のうち半分以上の月経痛が緩和されました。

ピクノジェノールは植物である松の皮から抽出される成分のため、副作用のリスクはほとんどありません。水とエタノールのみで抽出しており、余計なものは使用していないため安全性は優れているといえます。ただし、アレルギーが発症しないとは限らないため、異常を感じたら摂取は中断しましょう。

シトルリン

ウリ科の植物にふくまれている保湿因子

アミノ酸の一種であるシトルリンは、スイカや冬瓜などに含まれている成分です。

シトルリンを摂取した後、体内でアルギニンへと変換される特徴を持ち、その際に一酸化窒素を生成します。一酸化窒素が増えることにより、血管周辺にある筋肉が緩和。血管を収縮せずに済むため、手足の末梢血管にも血液が行き渡りやすくなるのです。一酸化窒素はアンモニアに反応し、冷え性だけでなく、血行が悪い際に起こるむくみや肩こりなどの改善も期待できます。

抗酸化作用もあるので、活性酸素から血管を守ってくれるのも嬉しいポイントです。血流が良くなることにより、新陳代謝が向上して肌のターンオーバーが整うので、血管だけでなく肌質の改善も期待できます。

シトルリンは人がもともと持っているものと同じ成分のため、安心して摂取が可能。1日の目安摂取量は800mgですが、スイカの場合は1日に7分の1個分を摂取する必要があります。冬瓜は1日に3.8個と、かなりの量が必要です。食べ物から摂取するよりも、サプリのほうが効率的に摂取できます。

DHAEPA

血液改善だけでなく、中世脂肪低下で健康維持も期待できる成分

魚の油に含まれているDHA・EPA。「オメガ3必須脂肪酸」とも呼ばれており、血液の中にある血小板や赤血球へ作用します。

血小板へのアプローチでは、血小板同士が集まり固まる凝集を抑制。赤血球へのアプローチは赤血球を柔らかくします。凝集を抑制することで血液をサラサラな状態に保ち、赤血球が柔らかくなることで末端血管へ通るようにできるのが利点です。末端血管まで血液が流れることにより、手足の冷えを改善する効果が期待できます。

ただし、血液に関する作用はEPAにあるとされており、DHAは血液よりも神経の発達をサポートするのが主な作用です。実際に埼玉大学の沼雅教授が行った実験にて、EPA摂取時に血液がサラサラになったのに対して、DHA摂取時はEPAほど血液改善が見られなかったとの結果が報告されています。血液や血管にアプローチしたい場合は、EPAがおすすめです。

EPAを摂取した際は血液中で濃度が増加することも判明しているので、定期的に摂取すれば血行促進の持続効果が期待できます。

血行促進以外には病気のリスク低下も期待できるとされるDHA・EPA。産業技術総合研究所バイオメディカルと漁業などを手掛けるマルハニチロ共同研究では、魚の油を朝に摂取すると中性脂肪の量が低下したという結果が報告しています。

【参考文献】

  1. メディヴァ保健事業部ブログ「管理栄養士によるすこやか栄養コラム」
  2. 農林水産省「カプサイシンに関する情報」
  3. NIPRO-ニプロ株式会社-「健康で長寿の妙薬―ガーリックパワーで健やかに 「ニンニク」の効用」
  4. にんにく大辞典「にんにくのにおい消しに相性がいい食品は?」
  5. オリーブオイルをひとまわし「気になる臭いももう怖くない!ニンニクの臭いを消す方法」
  6. サントリーウエルネス「黒酢とは?黒酢と他の酢、何が違う?」
  7. 黒酢の効果を徹底解説「冷え性改善効果」
  8. 介護の123「ヒハツエキスの効果効能・副作用を検証|tie2活性が高血圧を改善」
  9. [PDF]ユニキス株式会社「ピクノジェノール®」
  10. 福岡大学 理学部「尿素回路」
  11. 血流改善と強くしなやかな血管へ シトルリン研究会「冷え改善」
  12. 血流改善と強くしなやかな血管へ シトルリン研究会「シトルリンが不足するとどうなるの?」
  13. 血流改善と強くしなやかな血管へ シトルリン研究会「アルギニンとは」
  14. サラサラ生活向上委員会 | ニッスイ「EPAとDHAの違いは?」

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