EDの原因はとても複雑でさまざまについて解説します。病気の原因や症状、対策方法まで、健康づくりに役立つさまざまな情報など。

中高年の男性だけでなく若い男性でもEDに悩む人が増えています。自分は関係ないと思っている男性や自分のパートナーは関係ないと思っている女性にとってもEDは非常に身近な問題なのです。また一度なってしまうと相談もできずシリアスになることや悪化することが多いようです。原因さえ突き止められれば治癒しやすいですが、うつ病やトラウマなどメンタルが原因の場合には治療に時間がかかります。しかし諦めないことが大切です。

EDは非常に身近な病気の一つです。年齢が高くなるにつれEDになる割合は高くなりますが、最近は若年層のEDが増えています。これは心理的ストレスや不規則な生活や食習慣、長時間の車の運転や運動不足、過剰な飲酒、喫煙などもEDの原因になっているからです。うつ病になる人が増えていますが、うつ病の症状の一つにもEDがあります。

陰茎の血流障害。なぜ起こるの？〜器質性ED〜

原因は複雑かつさまざまで、一つの原因がEDを起こしているわけではなく、いくつかの要因が重なってEDになっているケースのほうが多いようです。しかし「勃起障害」という側面だけに焦点を当てれば、EDは血管障害の一種といえます。
加齢性のEDの場合、血流障害が起こる背景には高血糖や糖尿病、高血圧、脂質異常、肥満などの生活習慣病が原因となっていることが多いことが報告されています。これらの生活習慣病の症状が血管や神経を障害し、特に陰茎を通る動脈が動脈硬化を起こしていることでEDになるケースが多いようです。そのため生活習慣病に罹患している方はEDが起こりやすく、逆にいえば生活習慣病を予防することがEDの予防策になるのです。

□糖尿病とEDの関係

生活習慣病の中でもEDの起こる割合が最も高い疾患が糖尿病です。統計によると、糖尿病の患者さんのうち30代で30％、50代では実に50％の方がEDというデータもあります。糖尿病になると血管や神経などに障害が起こるため、当然EDにもなりやすくなります。糖尿病の進行度によりEDの症状の度合いも変わってきますが、比例関係にあるようです。

□高血圧とEDの関係

高血圧は動脈硬化の原因のひとつなので、必然的にEDの起こる確率も上がります。また、高血圧のために服用している薬剤がEDの原因となることもあるため注意が必要です。しかし、降圧剤とED治療薬の併用は可能ですから医師に相談することをおすすめします。

□高脂血症とEDの関係

高脂血症（こうしけつしょう）とは、血液中の脂質（コレステロールや中性脂肪）が多すぎる病気のことをいいます。高脂血症も動脈硬化の原因のひとつです。そのため必然的にEDの起こる確率も上がります。高脂血症の治療とEDの治療は同時並行できますからやはり医師に相談しましょう。

生活習慣病以外に考えられるEDの原因は？

□神経の障害によるED

脳出血、脳腫瘍、脳外傷、パーキンソン病、アルツハイマー病などの疾患は、自律神経障害を起こすためEDの原因となります。このことは以前あまり知られていませんでしたが、最近では一般のリハビリテーション病院でも性機能に関する相談を行う施設が増えているようです。

□手術や外傷によるED

前立腺がんや膀胱がんの摘出術、直腸がんの切除術などの骨盤内臓器を摘出する手術は、陰茎海面体の血管や神経を損傷する危険性があり、EDの原因のひとつになってしまいます。がんは再発を防ぐため、手術でできるだけ多くの部分を取り除くのが一般的でした。しかし、最近では手術後の生活を重視して、勃起機能を残すために神経や血管をなるべく損傷しないような手術をする医師も多くいるようです。
また、外傷では交通事故などによる骨盤骨折や脊椎損傷もEDを引き起こします。ただし外傷の場合、麻痺や神経反射機能の程度によっては時間がかかるものの治癒する場合もあり、特に年齢の若い方ではED治療薬の効果も高いといわれています。

また加齢性の場合、前立腺肥大症や、精巣静脈瘤といった泌尿科系の疾患がEDの原因となっている場合や、脳出血を中心に自律神経障害が原因となっている可能性もあるので放置すべきではありません。

□治療に時間がかかり、原因がみつけにくい心因性のED

若い人に多い精神的な原因のEDの場合はカウンセリング等で簡単に治ることもありますが、過去のトラウマなどが原因となっている場合は原因の解明に時間がかかるため、やはり一人で悩まず専門家やパートナーと時間をかけて治療に取り組む必要があります。