新生活のリズム作りは
朝食と食材ポイントに
新生活が始まり、生活のリズムが整うまで少しバタバタしがちなのがこの季節。体調を崩しやすかったり、食事が不規則になったり、体調管理が難しくなります。忙しくてごはんもまともに食べられない、という人は要注意!「朝食を食べること」と「朝食に旬のものを取り入れること」で慌ただしい4月5月の健康管理が簡単にできちゃいます。
朝ごはんを食べて
体内時計と自律神経を整えよう
朝は1秒でも長く寝ていたい、という気持ちもわかります。特に社会人デビューしたばかりの人は、「睡眠>朝ご飯」になってしまう気持ちも良く分かります。実際、平成27年度の国民健康栄養調査によると、朝食の欠食率は男性14.3%、女性は10.1%と、10人に1人以上は朝食を食べていないことが分かります。特に女性よりも男性の方が朝食を欠食している傾向にあります。
さらに年齢別では、男性は30代、女性は20代がもっとも欠食率が高く、その割合は男性25.6%、女性25.3%となっています。つまり、30代男性と20代女性のおよそ1/4が朝食を欠食しているという結果になるのです。朝食を抜く健康法もありますが、朝食を食べた方がいいというのは栄養学的には間違いありません。まず朝食を食べることで体内時計が整います。朝食を食べることで交感神経がしっかりとオンになり、血圧や体温、代謝も上がり1日をエネルギッシュにスタートすることができるのです。
これは朝日を浴びることと同じくらい重要なこと。毎朝決まった時間に朝ご飯を食べるだけで、体がリズムよく活動してくれるのです。
朝食を食べないと太りやすくなり
日中だるくなる
食事は通常1日3回に分けて行いますが、それぞれの食事には意味があります。まず昼食ですが、午前中の活動で使ったエネルギーをランチで補うことで、午後から夕方も活発に働くことができます。夜は1日働いて疲れた体のリカバリーを図るためにエネルギー源はもちろんですが、ビタミンやミネラルなど機能調整に関わる栄養素をしっかり摂ることが大切です。
では眠っているだけだった朝は消費カロリーが少ないので朝食を抜いても良いと思いますか? そうではありません。眠りについてから6~7時間もの間、何も飲まず、何も食べずに朝を迎えますので、体は飢餓状態。朝食をとることで体へエネルギーが送り込まれ、体温が上がることで様々な代謝がスムーズに活動し始めるのです。朝食を抜くということは飢餓状態のまま活動しなければならないため、体は何とかしてエネルギーを節約しようとします。その結果、疲れやすくなったり、午前中はなんとなくだるい、というような状態に陥りやすくなるのです。
身体が省エネモードになることはもちろんですが、飢餓状態から急にお昼ごはんにドカ食いをしてしまうと、血糖値の乱高下の原因となります。つまり、太りやすくなったり生活習慣病の危険因子が増えたりする原因となるのです。朝、起きた時は胃が気持ち悪くて食べ物を受け付けない、という方は夜の食事を見直すことから始めましょう。夜遅くに脂っこいものを食べたり、暴飲暴食したりしていると、胃も疲れてしまい、消化不良で朝起きた時にスッキリしていない状況になります。
朝食にこそ旬の食材を取り入れよう
春は植物が芽吹き、野菜や果物も多く出てきます。旬の食材をたっぷり食べて欲しいのも実は朝食。山菜が美味しい季節ですが、おみそ汁の具材として山菜をいただくのもおすすめです。また春野菜の中でもセロリはさわやかな香りで朝にも重くない食材の一つ。お好みの柑橘系の果物を合わせることでスッキリとしたスムージー(ジュース)に仕上がります。
春には豆類も旬を迎えます。絹さややスナップエンドウはおみそ汁に入れても彩りが綺麗で美味しくいただけます最近は冷凍のグリンピースも手軽に入手できますので、グリンピースのポタージュを作り置きしたり、ピースごはんにしたりするだけでも栄養価がぐっと上がります。
管理栄養士・フードコーディネーター・薬膳インストラクター。ダイエット専門のサロンでの食事指導を経験後、料理人として3年間飲食店の厨房に立つ。現在は料理と器の相性を大切にし、美味しく、健康的な料理の開発や執筆に携わる。プロフィールを詳しく見る
朝ご飯を大切にすることを中心にすれば、誰でも簡単に健康的なライフスタイルを確立させることができます。1人暮らしの人も同じです。旬のものを夜ご飯に食べようとするとボリュームやカロリーが気になりますが、朝いただくことでヘルシーにその恩恵を受けられます。
この春から環境やリズムが変わったあなたこそ、朝食とその内容を意識してみてくださいね。