スカボロフェア・
ハンバーグとバジルポテト
今回ご紹介するレシピのタイトルでもある「スカボロフェア」は映画卒業の挿入曲。 この曲は16世紀前後からイギリスで歌い継がれてきた民謡で、吟遊詩人たちによって歌が変わっていきました。 歌詞にでてくるパセリ、セージ、ローズマリー、タイムは、スカボロー市場に行く旅人に、ある男が「スカボローに行ったら昔愛していた人に宜しく伝えてほしい」と伝えたところ、旅人は4つのハーブの名をただつぶやいたという話。 その男というのは実は悪霊で、旅人はその男と話すと自分も悪霊になってしまうことから、4つのハーブの持つ意味「2人の間にある苦味を取り除く温和さ、互いの離れた時間を待つ忍耐力、孤独の中で相手に対する愛、できない仕事をやり遂げる勇気を持てば、この世はダメでも次の世では一緒になれるのではないか」という思いを秘めて、4つのハーブの名をつぶやいたのではないかという歌詞の解釈が一部あるようです。 これからご紹介するレシピは、そんな歌詞に出てきたハーブを加えた一品。 ぜひチャレンジしてくださいね。
材料(2人分)
- 【 ハンバーグ 】
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- 牛薄切り肉200g
- パセリ、セージ、ローズマリー、タイム適量
- 顆粒コンソメ小さじ1
- パルサミコ酢大さじ2
- マデラ酒大さじ1
- 白だし大さじ1
- はちみつ小さじ1
- 【 バジルポテト 】
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- ジャガイモ1ケ
- ガーリック1かけ
- バジル、ピンクペッパー、クリージーソルト適量
作り方
- 【 ハンバーグ 】
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- 薄切り肉を出刃包丁で細かく切り、さらにトントンたたいて粗挽きミンチ状にする。
- 石づきを取ったマッシュルームをミキサーにかけて粉々にする。
- ハーブ4種も飾り用を除いて、残りをミキサーにかける。
- ボウルに1)のお肉と3)のハーブ、顆粒コンソメを入れて手でよくこねる。
※氷水50cc、茹でうどん微塵をつなぎ。粘り気が出ればOK。こねすぎないように注意。 -
2個のハンバーグの形にまとめ、真ん中を少しへこますようにしてからフライパンで焼きはじめる。
※まとめる時は中に空気を溜めるようにやさしく整える。
※片面中火2分焼いたら裏返して火を消しアルミホイルをかぶせて1分弱おいておく。 - 焼け具合を確認してお皿に取り出す。
- 【 ソース 】
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- フライパンの余分な油をキッチンペーパーで吸い取り、バルサミコ酢、マデラワイン、白だし、はちみつを加え、弱火でなべのそこをこそげるようにしながら煮詰めます。
(とろみが足りない場合は、水どきのコーンスターチ使用) - ジャガイモは皮をむいて半分に切り、さらに7mm幅くらいにスライス。 シリコンスチーマーに入れて電子レンジで2分加熱し、いったん取り出しひっくり返してからさらに1分加熱。
- 冷たいフライパンにオリーブオイルと薄切りガーリックを入れ、弱火で香りがたつようにいためる。8)のジャガイモを入れ、きれいな焦げ目がつくくらいまで炒め、クレージーソルトで味を調える。
- お皿にハンバーグを盛り、ソースをかける。4種のハーブを飾りバジルポテトを添えて、ピンクペッパーで散らして完成。
- フライパンの余分な油をキッチンペーパーで吸い取り、バルサミコ酢、マデラワイン、白だし、はちみつを加え、弱火でなべのそこをこそげるようにしながら煮詰めます。
栄養ポイント
レシピで紹介したハーブは、イギリスで歌い継がれてきた民謡に登場したもの。 これらのハーブの特長は、次の通り。
・イタリアンパセリは普通のパセリよりも苦味がなく万能な素材。
・セージは何よりも香りが高く、肉料理に良く合う素材。
・ローズマリーは肉料理には欠かせない独特の強い香りと味がポイント。
・タイムは肉や魚の臭みを消してくれる素材。
・バジルはハーブの王様と呼ばれ、風味で料理をアレンジできる素材。
いつものハンバーグをもっと風味良くしたい方は、ぜひハーブを使ってみてくださいね。
橋本登志子 TOSHIKO HASHIMOTO
料理研究家。2012年第2回KOKUSAIハーブレシピコンクール優秀賞受賞。教師を15年間務めた後、カナダ・オンタリオ州へ移住。カナダで多国籍料理を学ぶ。
橋本登志子さん公式ホームページ登志子のキッチン