増えている?!
パパの産後うつ
産後女性の約30%が陥るという「産後うつ(マタニティブルー)」ですが、パパの産後うつ「パタニティブルー」が注目されています。米国のノース・ウエスタン大学の調査によれば20~30代の父親となる男性の10人に1人が子どもの誕生前後にうつ状態に陥ることを報告しています。イクメンブームが定着しつつあり、イクメンは産後のママにとっては理想のパパ像ですが、小さなベビーを抱えた男性にもそれなりの緊張やプレッシャー、そして心理的な面だけではなく体調の変化もあるようです。
パパの産後うつはベビーにも悪影響
パタニティブルーの具体的な症状としては、多いものとして睡眠障害。そしてそれに伴う頭痛や肩こり、不安感やうつ状態などが多いよう。原因は特定されていませんが「ライフスタイルの急激な変化」や「パートナーとのコミュニケーションの激減」「家計を支えようというプレッシャーや理想の父親像へのプレッシャー」などがきっかけとなるようです。 「産後うつ」のママとパパ……このような状況になってしまった場合、一番被害を受けるのは間違いなく祝福されるべきベビー。実際に産後うつの症状がある父親の子どもには、教育に悪影響があるという調査結果もあるほどなのです。
予防するにはママのプロデュース能力が鍵
女性の産後うつは「ホルモンの変化」という身体的な変化が大きく関与しているのに対し、男性の場合は心理的な部分やライフスタイルの変化によるものが多いようですから、夫婦や家族で力を合わせればきっと上手に乗り越えることができるはず。
産後ヨガを指導するインストラクターに取材したところ、パパ・ママともに「産後うつ」を予防するには妊娠中からの過ごし方にポイントがあるといいます。まずは定着しつつある「里帰り出産の見直し」。これはメリットが多数ある一方で、デメリットもあるといいます。最大のデメリットが「パパが疎外感を感じやすい」こと。産後間もないベビーは刻一刻と変化しますが、その変化をあまり見られかったパパは父親としての実感が湧きにくいそう。また、義理の両親である「じいじいとばあばあ」のほうになつかれてしまった場合にパパが感じる疎外感と孤独感は、ママの想像以上といいます。 家族とはチームのようなもの。ベビーが加わる新しいチームが始まる前からパパをチームリーダーとしたチームワーク作りを、ママが出産前からプロデュースする必要があるようです。どんな子育てをしたいか、どんな家族が理想か、そういったコミュニケーションを出産前から十分におこない、安易に両親や有料サービスを頼ったり利用したりするのではなく、二人でできることは二人で頑張ろうというチームワーク作りが大切といいます。
出産前からそのようなスタンスで過ごしておくことで、産後のライフスタイルが「急激に変化」するというよりは「緩やかな変化」に抑えられますよね。これはパパだけでなくママの心理面にも良い影響を与えるはずです。これまでパートナーだった旦那さんを「父親」として育てていくのも、新米ママの大事な仕事の1つ。もちろん子育ては周囲の人の協力なしではできないこと。ママも頑張り過ぎずに「甘え上手」になることも大切です。
子育ての期間は終わってみると「あっというま!」と誰もがいいます。その時間が最高に楽しい時間になりますように!