γ-GTPは肝臓の疾病・疾患の判断材料
γ-GTP(ガンマグルタミルトランスペプチダーゼ)は、たんぱく質を合成・分解する酵素の一種です。胆道(消化液の通り道)から分泌され、肝臓や腎臓、膵臓や脾臓など広範囲に分布しています。とくにγ-GTP量が多いのは肝臓。肝臓細胞が傷つくとγ-GTPが血液中に漏れ出して血中濃度が増すため、γ-GTP値は肝障害の判断材料となっています。また、γ-GTPはアルコールに反応する性質があるため、アルコール性肝障害を調べる検査でもγ-GTPの血中濃度を測定します。
101IU以上の人はすぐに病院へ
γ-GTPの正常値は、男性の場合12~65IU、女性の場合9~38IUです。正常値の範囲内なら大きな問題はありません。細胞壁を通過する性質をもったγ-GTPが血管に移動した、もしくは飲酒習慣によるものだと考えられます。
軽度の異常値(男女ともに正常値上限~100 IU)は、アルコール性肝障害や慢性肝炎が起きている可能性があるので、生活習慣を見直す必要あり。中度の異常値(男女ともに101~200 IU)は、肝がんや胆道疾患のおそれがあるため、すぐに病院へ行くことをおすすめします。
高度の異常値(男女ともに200IU以上)になると、急性アルコール性肝炎や閉塞性黄疸、肝内胆汁うっ滞など、大きな問題が生じている可能性が高いです。
γ-GTP異常値の主な原因は「肝臓負担」
γ-GTPの異常値の原因として、肝臓や胆道に負担をかける行動・問題(アルコールの過剰摂取や肥満、疲労やストレス、喫煙や薬の服用など)があげられます。肝臓に大きな負担がかかると、損傷した細胞の隙間からγ-GTPが血液中に流れ出るため、血中のγ-GTP濃度が高まる仕組み。また、胆道にできた胆石やがんによって消化液とγ-GTPが逆流して、γ-GTP濃度が上がることもあります。
肝臓に異常がある場合は、γ-GTP・AST・ALT値をまとめて測定して、体のどこに異常があらわれているのか診断します。 AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)とALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)も肝臓に存在する酵素で、ALTは肝臓のほか、心筋や骨格筋にも存在します。 γ-GTP値のみ高い場合はアルコールの過剰摂取が原因、ALTのみ高い場合は肝臓以外の病気が原因の可能性が高いです。
γ-GTP異常値で考えられる病気は肝障害だけじゃない
γ-GTPの異常値は、肝臓機能が弱まっているサイン。γ-GTPの異常により発症するメカニズムをまとめました。γ-GTP値が高いにもかかわらず何も対策せずに放置していると、次のような病気に発展するおそれがあります。早めに手を打つために、γ-GTPと病気の関係性を把握しておきましょう。
アルコール性脂肪肝
アルコールを肝臓で分解処理すると、最終的にエネルギーと脂肪酸が生まれます。大量のアルコールを摂取すると脂肪酸が増えて肝臓に蓄積するため、肝臓に負担がかかる状態(脂肪肝)が続き、γ-GTPの値が上昇します。アルコール性肝障害
γ-GTPの異常値を無視してアルコール摂取を続けていると、アルコール性肝障害に発展します。過度なアルコール摂取は、肝臓細胞を破壊する原因。肝臓細胞が壊れると肝臓細胞内のγ-GTPが漏れ出るため、γ-GTPの血中濃度が上昇します。慢性活動性肝炎
γ-GTPの異常値を放置していると肝障害はどんどん悪化。異常値が6ヵ月以上続いた場合は、ウイルス性の慢性活動性肝炎(主にB型・C型)だと考えられます。慢性活動型肝炎とは、一般的な慢性肝炎よりも細胞壊死や炎症が酷い病態のことです。肝硬変
肝炎や肝障害を一定期間放置すると「肝硬変」に発展します。肝硬変になると、全身の倦怠感や手の震え、体重増加や下半身のむくみ、黄疸やかゆみなどの症状があらわれます。合併症を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。肝臓がん
慢性肝炎(※とくにB型ウイルス性肝炎)を放置すると、細胞の遺伝子が傷ついてがん細胞が発生する可能性が上がります。胆道疾患
アルコールを飲まない、肝障害がないにも関わらずγ-GTPの異常値が続く場合は、胆道(肝臓でつくられた消化液の通り道)に炎症やがんが発生しているおそれがあります。γ-GTP正常値=消化器系の健康維持
γ-GTPの異常値は、肝臓、胆管、胆のう、十二指腸、膵臓などの危険を知らせるシグナル。つまり、異常値を放置せずに正常値に戻す取り組みを行うことは、消化器系の健康維持につながります。脂肪肝や肝障害など軽い症状のうちに食事や生活習慣を改善して、肝臓がんに発展するのを防ぎましょう。
負担をかけない生活にシフトして肝臓をいたわりましょう
γ-GTPを正常値に戻したい人のために、今日から始められる簡単な方法をまとめています。自己流の健康法を続けている人も、本当に肝臓にとって適切な健康法を実践できているのかどうか、今一度確認してみてください。
肝臓に負担をかけない食事でγ-GTP値を改善
γ-GTPを正常値に戻すには、肝臓に負担をかける成分の摂取を避けることが大切です。アルコールはもちろん、サプリメントや薬も飲みすぎると肝臓に負担がかかるため注意してください。
普段から良くアルコールを摂取している人は、1日や2日断酒してもγ-GTPは下がりません。最低でも1週間はお酒を断つべきでしょう。
また、脂質が多い食事や糖類の大量摂取も肝臓に負担をかける原因となるため、控えるようにしてください。肝臓の修復を助けてくれる良性のたんぱく質を摂取するのがおすすめです。
引用元:ローソン
https://www.lawson.co.jp/recommend/original/detail/1303028_1996.html
引用元:セブンイレブン
http://www.sej.co.jp/i/item/11010004241400.html?category=1007&page=1
引用元:ファミリーマート
http://www.family.co.jp/goods/processed_foods/3930625.html
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たんぱく質・ビタミン・食物繊維で肝臓を修復!
γ-GTP値が高い人は肝障害を生じている可能性があるため、肝臓の修復や肝臓機能をサポートする栄養素を積極的に摂りましょう。肝臓の修復に役立つのは良性のたんぱく質、肝臓にかかる負担をやわらげるのはビタミンA・C・E、肝臓のはたらきを助けるのは食物繊維です。ポイントさえ押さえていれば、自炊が苦手でコンビニ飯や外食が多い人でもγ-GTPを正常に戻せます。
ハードな運動よりも軽めの運動が◎
肝臓に蓄積した脂肪を燃して、γ-GTPを正常値に戻すには軽めの運動がおすすめです。いつもの電車移動や車移動を徒歩移動に切り替えてみる、エレベーターやエスカレータを避けて階段を利用する、歩行ペースを上げてみるなど、少し運動を意識するだけでOK。
ちなみに、激しい運動は糖質(エネルギー)の消費率を高めて脂肪の消費率を低下させますが、肝臓脂肪は落ちにくい傾向があるためおすすめしません。
肝臓を休ませる生活習慣にシフトチェンジ
毎日お酒を大量に飲んでいる人は、適量と休肝日の大切さを把握するところから始めましょう。度数5%のビールは中瓶1本、度数15%の日本酒は1合、度数25%の焼酎は1合未満が適量です。度数5%の缶チューハイは1本半、度数14%のワインは2杯程度にとどめましょう。休肝日は週2日以上設けてください。 このとき、休肝日を設けたからという理由で別の日に大量飲酒しては意味がありません。適量と休肝日を両方継続して肝臓を休ませましょう。
γ-GTPを異常値から正常値に戻すカギは食生活改善+運動
γ-GTPが高い人は、正常値に戻すためにアミノ酸やミネラル、ビタミンを含む食品を中心とした栄養バランスの良い食事を心がけましょう。揚げ物や動物性脂質は、肝臓に大きな負担をかける原因となるため、基本的に避けるのがベストです。カロリー計算が苦手、または忙しくて栄養バランスの良い食事をつくる時間がないという人は、パッと摂取できるサプリメントを活用するのもおすすめ。 そして、脂肪が肝臓に蓄積しないように、適度な運動を続けることも大切です。
肝臓に負担をかける生活習慣はNG
アルコールや脂質過多な食事が好きな人はいわずもがな、胃薬品やサプリメントを必要以上に摂り過ぎている人、喫煙者もγ-GTP検査に引っかかりやすい傾向があります。また、運動不足、内臓脂肪が多い、ストレス過多などに該当する人もγ-GTP検査で引っかかる可能性が高いため、生活習慣や食生活を改善していきましょう。
改善策を継続することが何より大切
γ-GTP検査に引っかからないように、肝臓に優しい食生活を心がけながら、適度な運動を取り入れましょう。ただし、一時的に食事や生活習慣を見直しただけではγ-GTP値は改善しません。一番大切なのは「継続」です。 忙しくて食事管理が難しいときはピンポイントで必要な栄養素を摂取できるサプリメントの力をかりる、運動嫌いな人は通勤中一駅だけでも歩いてみるなど、長期的に続けられそうな方法を試してみてください。