尿酸はエネルギー物質の残りカス
尿酸値は血液中の尿酸の量を示す値です。尿酸は人間をはじめ動物の身体や臓器のエネルギー源となるプリン体からつくられています。プリン体がエネルギーとして利用された後、肝臓で分解された残りカスが尿酸となるのです。尿酸を血液中で溶解できる量は決まっており、一定量を超えると尿酸がかたまりになって、血管や関節などさまざまな場所で悪影響をもたらします。
正常値は男性で7mg/dL以内
尿酸の正常値は男性で4~7mg/dL、女性で3 ~5.5mg/dLとされています。体内の尿酸量がこの数値を超えると血液中で尿酸が溶け切らず、かたまりになって残ります(結晶化)。特に結晶化した尿酸は関節内にたまる傾向があり、痛風を引き起こす原因になります。
尿酸値は食事や生活習慣で上がる
血液中に溶ける尿酸の量は7mg/dL。尿酸は1日に700mgつくられ、700mg排泄されるため、常に一定に保たれています。しかし、食事や生活習慣によって分解されるプリン体が増えると、体内の尿酸が増えて高尿酸血症を引き起こすのです。
「高尿酸血症」とは、尿酸の生成と排泄のバランスが崩れた状態のこと。尿酸値が高くなっているため、放置するとさまざまな病気のリスクを高めます。
尿酸血が上がる仕組みは3パターン。排泄量が低下する「排泄低下型」、生成量が増える「産生過剰型」、排泄量の低下と生成量の増加が同時に起こる「混合型」があり、それぞれ対処法が異なります。
尿酸値が高い状態が続くとどうなる?
溶け切らない尿酸が血液中に残る「高尿酸血症」の状態が長い間続くと、結晶化した尿酸がいろいろな部位にたまっていきます。これを「尿酸塩沈着症」と呼び、関節にたまると痛風を発症したり、尿路にたまって尿路結石になったりします。
また、腎臓にたまることで腎機能が低下してしまうおそれがあります。
痛風
結晶化した尿酸が関節にたまり、仕事やスポーツで結晶の一部が関節液に剥がれ落ちると、白血球が敵と勘違いして攻撃してしまいます。白血球の攻撃を受けることで関節が炎症を起こし激しい痛みを発生させます。尿酸塩沈着症
血液中の過剰な尿酸は、関節や皮下組織、腎臓や尿路といった体内のいろいろなところに蓄積され、結晶化します。その症状を「尿酸塩沈着症」と呼びます。痛風腎
尿酸塩沈着症が腎臓で発症した場合の病名です。腎臓のはたらきが低下してしまいます。悪化すると、腎不全になり人口透析が必要な状態になることもあります。動脈硬化
血液中の尿酸が多い人は過食や運動不足の傾向があるため、高脂血症や高血圧、糖尿病などを発症しやすくなっています。そのため、尿酸値が高くなると動脈硬化の促進につながるのです。痛風の治療には食生活の改善が必須
痛風を引き起こす原因は、尿酸値を上げる食生活や生活習慣です。
痛風になっても薬でその都度対処できますが、効果は一時的なもの。食事や運動、飲酒など習慣づいている行動を見直さなければ痛みがぶり返します。尿酸値の上昇にかかわるものを控え、痛風の原因を根本から改善するようにしてください。
食事や運動などを改善していくことで、痛風の再発予防にも役立ちます。高尿酸血症の状態が長く続き、大きな病気へと進行する前に体に悪い習慣を改善しましょう。
プリン体を控え、尿酸を溜めないカラダづくりを
尿酸は常に体内で生成されている物質なので、数値を下げるには排出される量を増やし、食事や運動などの対策を行う必要があります。
ここでは尿酸値を下げるための方法をご紹介。自分で尿酸値をコントロールしている人も、現在の尿酸値を維持するために食事・運動・生活習慣の3つの対策を取り入れてみてください。
乳製品をたくさん摂取して、プリン体を控えましょう
尿酸値を下げるには、まず体内にある尿酸の排出を促しましょう。たくさん水分を摂ることで尿の回数が増え、体内の尿酸を外に出すことができます。ただし、糖類が入っていると逆に尿酸値が上がるため、摂るなら糖分を含まない水やお茶などがおすすめです。
ほかにも乳製品を食べることで、尿酸の排泄を増やせます。コップ一杯の牛乳や少量のヨーグルトを摂り、尿酸の排泄を促しましょう。
また、尿酸のもとであるプリン体の摂取を控えることも大切です。いくら排出しても、新しくつくられてしまうと意味がありません。尿酸をつくる原因を減らすことで数値を正常に戻せます。
引用元:ファミリーマート
http://www.family.co.jp/goods/salad/1220728.html
引用元:ローソン
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引用元:ファミリーマート
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プリン体は400mgまでを目安に摂取を
尿酸は2リットル程度の水分や乳製品によって排出が促されますが、排出しても大量につくられるのでは意味がありません。
尿酸値が異常だと診断された人は、尿酸をつくるプリン体の摂取もなるべく控えるのがベスト。1日400mgを目安に、尿酸値を上げるアルコールや高プリン体食品を避けた食生活にしましょう。
ただし断食は絶対に止めてください。断食すると尿酸が排出されにくくなり、尿酸値の上昇をまねくおそれがあります。
有酸素運動と肥満の解消が改善のカギ
血中の尿酸値が高い人は、運動不足や肥満の傾向が高いため、適度な運動と肥満の解消によって尿酸値の改善が期待できます。
ただし、無酸素運動は尿酸値を上げる可能性がありますので、おすすめできません。ウォーキングやゴルフなど、話しながらできる有酸素運動を日常的に行いましょう。
いきなりハードな運動をするとストレスや疲労の原因になるので、まずは通勤時に一駅分の距離を歩く、階段を使う、家の付近を散歩するなどの軽い運動から始めてください。
水分をとり、お酒はほどほどに
アルコールには尿酸値を上げるはたらきがあるため、お酒が好きな人は尿酸値異常を引き起こしやすいといわれています。数値を正常に戻すなら、お酒はできるだけ控えるのが良いでしょう。いきなり禁酒するとストレスがたまるので、休肝日や1日3杯までといったルールを設けるのがおすすめです。
また、尿酸の排泄を促すためには十分な水分補給が必要。1日2リットルを目安に、糖類が入っていない水やお茶を飲んでください。
食事前にこまめに摂るのが効果的
尿酸は体内で常に生成されているため、数値を改善するためには有効成分をこまめに摂るのが一番。1日数回に分けて摂ることで、効果の持続が期待できます。また、食事からつくりだされる尿酸に対応できるよう、有効成分は食前に摂るのが最適。尿酸を減らすアンセリンはもちろん、尿をアルカリ化するクエン酸もしっかり摂りましょう。DHA・EPAは吸収を高めるために、食事やサプリメントとして摂るのがおすすめです。
肥満やストレスが尿酸値異常や痛風の原因に
尿酸値異常や痛風は食事や生活習慣、遺伝などで引き起こされますが、肥満やストレスなどが引き金になって起こる可能性もあります。肥満の人は過食や運動不足になりがちなので、摂取したプリン体が尿酸として体にたまるように。そのため尿酸値が高くなり、高尿酸血症や痛風を発症させるのです。
また、ストレスも尿酸を上げる一因となります。過度なストレスを感じている人は尿酸値が上がりやすいといわれているので、ストレスがたまりやすい人は適度にストレス解消しましょう。体を動かす、趣味に没頭するなど、自分に合った方法を見つけてください。
尿酸値を改善するには食事と生活習慣の見直しが重要
尿酸値が異常に高い人や痛風の症状が出ている人は、まず食事と生活習慣を見直しましょう。心当たりがある場合、早めの改善が必要です。
とはいえ、急にガラッと生活を変えるのは難しいため、まずはプリン体が多く含まれる食品やお酒を控えた生活、適度な運動を取り入れることから始めましょう。日常的に注意することで、徐々に尿酸値を正常に戻すことができます。健康診断で引っかからないためにも、食事や運動など小さなことから実践してみてください。