ヘモグロビンA1cは血糖値を計る項目
ヘモグロビンA1cはヘモグロビンとブドウ糖がくっついたもの。ヘモグロビンA1cは「ヘモグロビンエーワンシー」や「糖化ヘモグロビン」とも呼ばれ、健康診断表では「HbA1c」と記載されることもあります。
ヘモグロビンは体内で糖とくっつく性質を持つため、血糖値の高さを判断する材料としてヘモグロビンA1cが使われています。1~2カ月間の血糖値を知るために計測され、数値が高いほど血糖値が高い(血中のブドウ糖が多い)とされます。
ヘモグロビンA1cの数値が高かった人だけでなく、血糖値が気になる人も対策してほしい検査項目です。
5.6%以上は糖尿病予備軍!
ヘモグロビンA1cの基準値は5.6%未満。数値が5.6%~6.4%を示すと、境界型糖尿病の疑いがあります。6.5%以上の人は糖尿病です。また、8%以上の高い数値になると合併症を起こす可能性が出てきます。
ヘモグロビンA1cと一般的な血糖値との違いは、数値の安定性です。血糖値は食前や食後で大きく変化しますが、ヘモグロビンA1c値は1~2か月間の血糖値を測定するのに使われます。健康診断で、血糖値は低くてもヘモグロビンA1cの値が高い場合は、血糖状態が良くないと判断されますので注意が必要です。
ずばり、糖質の取りすぎと運動不足
異常値になる原因には、2つあります。1つめは、甘いものや炭水化物などの摂りすぎ。糖分の摂りすぎにつながる食生活をしていると、血糖値も当然上昇します。
2つめは、運動する習慣がなく生活リズムが不規則なこと。摂り入れた糖をエネルギーに変換することができずにいると、血中のブドウ糖は減りません。
本来ならエネルギーとして利用されるはずのブドウ糖ですが、食べ物や生活習慣が原因で、血中に増えてしまうことに。そのまま放置すると数値が異常値を示します。
ヘモグロビンA1cは1~2か月間の血糖値をあらわすため、健康診断が近いときだけ気をつけても数値は下がりません。過去の健康診断表を見て、基準値内で数値の上昇がみられたら、早めに対策を始めましょう。
ヘモグロビンA1cが8%以上の場合、合併症の危機
ヘモグロビンA1cの値が高いと、心筋梗塞や脳梗塞、がんといった合併症のリスクが上昇します。 5年以上ヘモグロビンA1cが7~8%以上と高い数値のまま放置してしまうと、両足の痺れや痛みが出てきます。7年ほどで視力低下や失明の危険性が上昇。10年ほど経過すると腎不全を発症し、人工透析をしないと生活ができなくなります。
糖尿病
ヘモグロビンA1cは血糖の多さを示しているため、高い値のまま放っておくと、糖尿病を発症する可能性が上がります。また、加齢とともにインスリンの分泌量は減るので、ホルモンの分泌量が大きく減り始める40代~50代の人は注意が必要です。動脈硬化
血糖値が上がると、血中のコレステロールが糖によって変化し、動脈硬化を招きます。コレステロール値が正常でも、血糖値が高いと起こり得るため、どちらの値にも気を配る必要があります。心筋梗塞
血中の糖が増えると、動脈硬化をまねくだけでは済みません。血管が狭まり固くなると、心臓への血流が不足するため心筋梗塞を起こすリスクが高まります。数値改善のポイントは食べ物と生活習慣
ヘモグロビンA1cの数値は、赤血球の寿命と関係しています。赤血球は2か月ほどが寿命なので、その間の血糖値が計測されます。 数値を改善するには、少なくとも2か月以上継続して糖の多い食事や運動不足、生活習慣の乱れといった負の要素を取り除かなくてはいけません。そのため、ヘモグロビンA1cを改善するには根気が必要といえます。
無理なく続けられる数値改善の方法を紹介
数値が高かった人や改善中の人にも参考になるように、ヘモグロビンA1c値の下げ方を紹介しています。基本は糖質制限と野菜の摂取、適度な運動です。これだけ聞くと難しそうに聞こえますが、メカニズムを知れば対策もしやすくなります。
また、手軽に食事メニューが見直せるようにコンビニで買える食品をまとめました。
糖質制限
甘いものや炭水化物の量を抑える方法。ブドウ糖の摂取量を減らして、血糖値を下げるのが目的です。1日の食事でごはんやパン、麺類などの量が多い人は、主食の量を減らすようにするといいでしょう。慣れてきたら、おかずに入っている炭水化物に合わせて、主食の量を調整します。
野菜の摂取
野菜に含まれる食物繊維には、糖の吸収を穏やかにする作用があります。そのため、主食より先におかずやサラダを食べることで糖の吸収が抑えられます。また、食物繊維のほかにビタミンやミネラル類を摂取することで、体の調子が整い疾病予防につながります。
引用元:ローソン
http://www.lawson.co.jp/recommend/original/detail/1323422_1996.html
引用元:ファミリーマート
http://www.family.co.jp/goods/sushi/0510059.html
引用元:セブンイレブン
https://7premium.jp/product/search/detail?id=6137
引用元:ローソン
https://www.lawson.co.jp/recommend/original/detail/1303660_1996.html
引用元:セブンイレブン
http://www.sej.co.jp/i/item/300107251701.html?category=165&page=1
引用元:ローソン
http://www.lawson.co.jp/recommend/original/detail/1328339_1996.html
無理なくちょっとずつ変えていきましょう
食事量をいきなり減らしたり、食べ慣れていないものを続けて摂ったりするのは習慣化しにくいうえにストレスになります。ストレスを溜めてしまうと血糖値も上がりやすくなるので、無理なくできる方法から始め、徐々に食事内容を変えていくのがベスト。コンビニで買えるお弁当や食品などの選び方をちょっと変えるところから始めてみてください。
食後に軽めの有酸素運動を取り入れて
運動してヘモグロビンA1cの値を正常値にするためには、現在の体重から3%~5%の減量が必要です。体重が70kgであれば2.1kg~3.5kg減が目標値になります。
また、血糖値を下げるのに効果的なのは、食後すぐの有酸素運動。下半身を使うつま先立ちや階段の上り下りなどがおすすめです。また、長時間の運動を1日1回行うより、短い時間の運動を1日数回に分けて行う方が血糖値低下に効くといわれています。
こまめな運動を日常生活に取り入れて習慣化しましょう。
野菜ファースト&ゆっくり食べるを心がけましょう
比較的手軽に始めやすいのは、食べる順番を変えることです。食物繊維から先に食べて、炭水化物は最後にするよう意識してみてください。食べるときは15分以上かけるのがおすすめ。短時間で食事を済ませてしまうと、すい臓がインスリン分泌を急かされ、疲れてしまうからです。 また、バランスの良い食事をして腸内環境を整えるのも大切。腸内環境が整うことで栄養がきちんと体に吸収され、糖やコレステロールの値が改善します。
有効成分を意識して摂ることが正常値への道
食事改善の中で、血糖値を下げる成分を取り入れるのはもちろん、普段の食事ではとりづらい、不足しがちな栄養素と一緒にサプリメントで補うのもいいでしょう。
肉や魚といった食材は、規則正しい食事習慣の中で主菜として摂りましょう。炭水化物が多い食事だと不足しがちな栄養も、肉や魚をメインにするときっちり補えます。ポリフェノール類はカカオやコーヒーといった嗜好品に含まれることが多いので、糖分に注意しながら間食として摂るのがベストです。
運動せずに好きなものをたくさん食べる人は要注意!
異常値が出やすいのは、糖質の摂取量が多く運動をしない人。また、先天性の疾患の可能性もあります。糖分はエネルギーに変わるため、消費しないと体内で余ってしまい、ヘモグロビンA1cの上昇をまねきます。異常値が出てしまった場合、すでにイエローカードの状態であることが多いでしょう。そのため、食事内容の見直しや運動が必要になります。習慣づくまで大変かもしれませんが、根気よく頑張りましょう。
生活習慣を見直すチャンスととらえて前向きに
ヘモグロビンA1cの値は直近1~2か月の血糖値の採点表です。今は悪い値かもしれませんが、食事や運動などを通して改善していけます。生活の見直しチャンスだと思って前向きに数値改善に取り組んでみてはいかがでしょうか。現代はスポーツ器具やサプリメントなども充実しています。そういう助けも借りながら、ヘモグロビンA1c値を下げていきましょう。