卵黄レシチンは神経系に効果あり!?
卵黄レシチンは卵黄に多く含まれているレシチンです。大豆レシチンとの一番の違いは、動物由来であるということです。大豆レシチンは血管系に効果を発揮するのに対して、卵黄レシチンは神経系に効果を発揮するとされています。脳を構成する神経細胞のグループをニューロンといいます。ニューロン同士をくっつけている結合部分をシナプスと呼びます。
私たちはシナプスで分泌される神経伝達物質によって受信した情報を全体に伝達したり、記憶としてとどめたりしています。そしてとどめた記憶を引き出すことも行っています。レシチンはこの神経伝達物質の合成に欠かせない物質とされています。そのため、神経伝達物質を十分に合成することで老人性認知症などの加齢に伴う脳の老化を遅らせる効果や、脳や神経系の病気を防ぐ効果があります。このことから、特に卵黄レシチンは記憶力や集中力を高めて、認知症に有効だと言われています(レシチンと脳)。
卵黄レシチンとコリンの関係
「脂質」は様々な方法で分類することが出来ます。卵黄に含まれている脂質の約30%はリン脂質ですが、そのうちの70%以上を構成するのがレシチンです。レシチンは化学名を「ホスファチジルコリン」といいますが、これは「コリン」の元となるものです。ホスファチジルコリンは脳神経細胞のシナプスに働きかけ、神経伝達物質であるアセチルコリンを作り出します。レシチンを作っている「コリン」は神経伝達物質であるアセチルコリンを作り出すほかにも、肝臓において他の脂質の正常代謝に重要な役割をはたしており、脂肪肝の予防に役立っています。
レシチンやコリンは体内で合成されますが、卵黄油やレバー、ハムやグリンピースなどもよい供給源とされています(レシチンを含む食品)。レシチンはそもそも油と水を合わせる乳化作用があることが大きな特性ですが、これが卵黄の消化・吸収の良さにも関係しています。また、皮膚や粘膜から物質を透過吸収する浸透作用もあります。これらの特性を利用して、医薬用のリポソームの材料、静脈注射用の脂肪乳剤、痔や皮膚病の治療薬としても多く使われています。
血液、尿、唾液など生体から得られる情報と十分な問診をもとに、治療を行なうクリニックです。標準的な治療以外にサプリメント、天然ホルモンを用いた栄養療法、食事指導を重点的に行なっています。病気を根本から治療するのにあたって正確な診断が必要です。そのために当院では様々な方法をとっており、重篤な疾患の場合でもその根本原因に対する治療を行なっていきます。